Microsoftの7〜9月期は2桁台の増収増益 Surfaceの売上高は4億ドル
Microsoftの決算は、PC市場の低迷でコンシューマー向け製品は不調だったが、クラウド製品を中心とした企業向けが好調で増収増益だった。前期に9億ドルの評価損を出したSurfaceの売上高は4億ドルだった。
米Microsoftが10月24日(現地時間)に発表した2014年第1四半期(7〜9月期)決算は、売上高が16%増の185億5290万ドル、純利益は17%増の52億4400万ドル(1株当たり62セント)だった。売上高、純利益ともに、アナリスト予測(売上高が178億ドル、1株当たり純利益が54セント)を大きく上回った。営業利益は19%増の63億3400万ドル。
PC市場の低迷の影響でコンシューマー向け部門は不調だったが、企業向け製品が好調だった他、前期に在庫評価額引き下げで9億ドルを計上した「Surface RT」と「Surface Pro」を合わせた販売台数が「前期の2倍以上」だったという。売上高には、Windows 8.1の予約販売による1億1300万ドルも反映されている。
なお、1年以内にCEOの座を退くというスティーブ・バルマー氏の後任については業績発表後の記者会見でもまったく触れられなかった。
同社は7月に組織を改変しており、同期から部門が変わっている。コンシューマー向けWindowsおよびOfficeのライセンス、SurfaceやXboxなどのハードウェア、BingやXbox LIVEなどのオンラインサービスを扱うデバイス&コンシューマー(D&C)部門の売上高は前年同期比4%増の75億6000万ドル。コンシューマー向けWindowsの売上高が22%減だった。Surfaceの売上高は4億ドルだったが、ハードウェアの営業利益は54%減の2億1000万ドルだった。同四半期のXboxの販売台数は120万台。検索広告が47%増加した。
企業向けのOfficeやサーバ製品を扱うコマーシャル部門の売上高は10%増の112億ドル。SQL Serverの売上高は30%増、Office 365やAzureなどのクラウド製品の売上高は103%増だった。
スティーブ・バルマーCEOは発表文で、「われわれの“デバイス&サービス”企業へのシフトは順調に進んでおり、この秋には企業向けにもコンシューマー向けにも幅広い新製品を提供する」と語った。
業績発表後の電話会見でも中心となったエイミー・フードCFO(最高財務責任者)は「企業としての転換期であるにもかかわらず、記録的な第1四半期の売上高を発表できた。われわれは将来に向けて、イノベーション、サプライチェーンマネジメント、クラウドに戦略的に投資していく」と語った。
同社は10月にWindows 8.1や新Surfaceを発売しており、11月にはXbox Oneを発売する。
今後の見通しとして、フードCFOは電話会見で、第2四半期のコンシューマーライセンスの売上高を52億〜54億ドル、コンシューマーハードウェアの売上高を38億〜41億ドル、企業向け部門であるコマーシャル部門全体の売上高が9〜11%増加すると予測した。
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