KDDIが10月28日発表した2013年4〜9月期の連結決算は、売上高に当たる営業収益が前年同期比18.0%増の2兆538億円、営業利益が同50.3%増の3476億円と、それぞれ過去最高を更新した。上期の売上高2兆円超えは初。純利益も過去最高で、同104.4%増の2950億円となった。
増収分の54%が通信料収入の増加によるもの。iPhoneを始めとしたスマートフォンの契約者数が増え、通信料収入が大きく伸びたほか、J:COMを連結対象にしたことが売り上げ・利益をさらに押し上げた。
au契約者中のLTEスマートフォン率は22%に上昇し、7〜9月期のスマートフォンの新規契約のうち98%がLTE契約。3つどもえとなったiPhone 5s/5c商戦の緒戦にも打ち勝ち、MNP純増数は24カ月連続でナンバーワンを維持した。有料コンテンツサービス「auスマートパス」会員数は9月時点で799万となり、付加価値ARPU上昇に貢献している。
期初に発表した通期目標に対する営業利益の進捗率は55.2%と好調だが、通期目標は据え置く。「現時点では好調ではあるが、(NTT)ドコモさんがiPhoneを導入するなど競争環境が厳しくなっている。現時点では年末商戦もあるので、それが済んでから必要に応じて修正する」と田中孝司社長は話している。
端末購入用のクーポンもらえる株主優待も
株主優待制度の導入を発表した。回線契約を伴うau端末本体購入に利用できるクーポンを、保有株式数・期間に応じて贈呈する。例えば、1単元(100株)を5年以上保有している株主には、1万円分のクーポンをプレゼントする。同社の個人株主比率は3.8パーセントと小さく、「株価安定の面でも個人株主を拡大したい」(田中社長)と導入を決めた。
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