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“1万2000円のシュークリーム”は楽天が価格チェック済みだった 「ルール甘かった」と三木谷社長が陳謝(1/2 ページ)

「楽天日本一セール」で不当な二重価格表示が疑われる件について三木谷社長が説明。話題になった「元値1万2000円のシュークリーム」は公式セールの参加商品として楽天の価格チェックを通っていたとし、チェック体制を厳格化すると話した。

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 楽天の三木谷浩史社長は11月11日夜、3日〜7日に開いた「楽天日本一セール」中に、商品の元値を不当につり上げ、大幅に割り引いて販売しているように見せかける不当な二重価格とみられる表示があった件について記者会見を開き、「消費者にご迷惑をおかけしてすみませんでした」などと陳謝した。今後は、元値のチェックシステムの構築などを行い、再発防止に努めるとしている。

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三木谷社長(右)と高橋常務
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17店舗のリスト

 11月7日の決算発表時その後のインタビュー時の説明では、不当表示が疑われるのは、同社の公式セールに参加申請せず、便乗して“勝手セール”を行った20店舗・約1000商品としていたが、調査の結果、17店舗で1045商品に修正。合計118人が購入し、売り上げは46万9967円分だったという。

 該当店舗は1カ月のサービス停止としたほか、該当商品を購入したユーザーには、商品の返品を前提として、全額を現金かポイントで補償する。17店舗の名称などは公表しない。「1カ月の停止処分は重い。われわれは警察ではないし、そこまでの権利はないと思っている」と三木谷社長は話す。

 一方で、ネットで話題になった、「通常価格1万2000円、77%オフで2600円」の抹茶シュークリームなど3商品・3店舗については、楽天側の価格チェックを受けた上で、公式セールに参加した商品だった、と説明を修正。店舗が独自に行う“勝手セール”品であり、楽天の価格チェックを受けていないとしていた従来の説明は、「確認ミス」(高橋理人常務)であり、「ミスリーディングだった」(三木谷社長)と謝罪した。

シュークリーム、スルメイカ、大根は楽天が元値チェック済みだった

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通常価格1万2000円、77%オフで2600円と表記されていた商品だったが、卸元の通常価格は2625円だった例(現在は削除済み)

 当初は“勝手セール”を行っていたと説明しながら、今回、公式セールに参加していたと楽天が説明を修正した店舗は、抹茶シュークリーム販売店舗のほか、「通常1万1125円の大根5キロを77%オフで2540円」と表記していた店舗、「定価1万7310円のスルメイカ10枚セットを77%オフで3980円」と表記していた店舗――の計3店舗。

 「スルメイカは確かに高い」と三木谷社長も認める通り、一見して元値が高過ぎるのに、楽天の価格チェックをパスして公式セールでの販売にOKが出たのは、「(元値確認の)ルール設計が甘かった」(三木谷社長)ためという。

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公式セール時の元値チェックの仕組み

 楽天がセール参加商品の元値をチェックする際は、楽天市場での過去の元値を確認した上で、一定期間内に元値に変動がなければセール参加を認めていた。また、過去に販売されていない新規の商品の場合は参照すべき元値がないため、元値チェックそのものをしていなかったという。

 シュークリームは過去に販売されていない新規の商品で、スルメイカと大根は元値の変動が認められなかっため、公式セールへの参加が認められたという。シュークリームと大根は購入数ゼロ。スルメイカを購入した79人には、店舗からメールでキャンセルを打診したところ、51人がキャンセルを希望し、28人はそのまま購入したいという。

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