TPPの草案か 知財関連の秘密文書、Wikileaksが公開
WikileaksがTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の知的財産部分の草案だという文書をWebサイトに公開した。TPP交渉は秘密のベールに包まれており、本物なら国内世論に影響を与える可能性もある。
Wikileaksは11月13日、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の知的財産部分の草案だという文書をWebサイトに公開した。TPP交渉の具体的な内容は公開されていないが、著作権侵害の非親告罪化など知的財産関連でも日本にとって大きな法改正が必要な事項が含まれているとされ、文書が本物なら国内世論に影響を与える可能性もある。
公開された文書は95ページ・3万ワードに及ぶ。今年8月30日時点のものという日本を含む12カ国による交渉の経緯とみられる内容も記されている。Wikileaksは「TPPの詳細について知る機会を提供するものだ」と説明している。
Wikileaks編集長を務めるジュリアン・アサンジ氏は「TPPによる知的財産保護の枠組みは個人の自由と表現の自由を踏みにじるものだ。あなた方が読む時、書くとき、出版する時、考える時、聴く時、踊る時、歌う時あるいは発明する時……TPPはあなたをターゲットにする」とコメントしている。
TPPの知財関連では、主な条項として(1)著作権保護期間の20年延長、(2)著作権侵害の非親告罪化、(3)著作権侵害に対する法定賠償金の導入、(4)いわゆる「3ストライクルール」を含む不正流通防止関連事項──が含まれているとされる。著作権侵害が非親告罪化されれば2次創作同人誌などの摘発が容易になるとして、漫画家の赤松健さんは漫画家が意思表示できる「同人マーク」を考案し、運用が始まっている。
関連記事
- TPP問題は農業・医療だけじゃない 知財・著作権関連の論点は
TPP問題は、農業・医療・自動車だけじゃない――TPP交渉の公開を求める団体がキックオフイベントを開催。著作権保護期間の延長や、著作権侵害の非親告罪化など、TPPの知財条項について整理した。 - 弐瓶勉「シドニアの騎士」に「同人マーク」
弐瓶勉さんの漫画「シドニアの騎士」に、2次創作同人誌の即売会での配布を認める「同人マーク」が付いた。 - 「同人マーク」運用始まる 赤松健さんの新連載から ライセンス1.0とFAQも正式公開
漫画家などが自分の作品を基にした2次創作同人誌の即売会での配布を認める「同人マーク」の運用が赤松健さんの新連載で始まった。 - TPP対抗「同人マーク」デザイン決定 「少年マガジン」の赤松健さん新連載で採用へ
作家が自らの作品を基にした2次創作同人誌の即売会での配布を認める「同人マーク」のデザインが決定。マガジンで始まる赤松健さんの新連載に掲載される。 - 赤松健さん流「TPP対策」・2次創作向け新ライセンス提案、次回作は「エロ同人・アニメ化フリー」に?
漫画家の赤松健さんが、漫画の2次創作に関する新ライセンスを提案。CCJPのサポートが得られれば、講談社で執筆予定の次回作に採用するという。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.