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ギアチェンジ時に駆動力抜けのない変速システム、京大が開発

非円形歯車を使うことで、自動車などのギアチェンジの際の駆動力抜けがないという変速システムを京大が開発。

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 自動車などのギアチェンジの際、ギアを変えるためにトルク伝達を一時的に切る「駆動力抜け」のない変速システムを開発したと京都大学が発表した。変速中でも駆動力を伝えることができ、電気自動車(EV)に搭載すれば電力消費の効率化で走行距離を延ばすことも可能という。

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変速システム用非円形歯車の例と、同システムを搭載したEV

 新技術では、ギアチェンジのために動力源と駆動輪の間のトルク伝達を一時的に切断する際、非円形の歯車によって駆動力を伝達する。非円形歯車は減速比を滑らかに変化させることができる形状になっており、切り替える2組の歯車対の中間的な状況を作り出し、変速中でも駆動力を伝えることができるという。EV用の2段変速システムに加え、エンジン車用の4段変速システムも開発した。

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エンジン車用の4段変速システム

 変速の際の速度が低下せずスムーズに走行でき、変速後に無駄な加速が不要となる。またCVT(無段変速機)と異なり歯車によって駆動力を伝達するため、効率も高い。変速後の回転低下による「変速ショック」もないという。

 一般のEVでは、通常の変速機は変速後の無駄な加速が必要になること、CVTは伝達効率が悪いことから、それぞれメリットがあまりないとして変速機は採用されていない。新技術を搭載すれば、変速機を搭載していないEVと比べ10%程度の走行距離延長効果が期待できるとしている。

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