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大学教授の本格的な講義を無料で――日本初MOOC「gacco」、4月にスタート 希望者には対面講義も
大学教授によるオリジナル講義をオンラインで無料受講できる「gacco」が4月にスタートする。希望者にはより発展的な対面講義の機会を有料で設ける。
NTTドコモとNTTナレッジ・スクウェアは2月3日、日本初の大規模オープンオンライン講座(MOOC:Massive Open Online Course)サイト「gacco」を公開し、受講生の募集を始めた。大学の教授陣による本格的な講義を無料で受講できる。講座は4月1日から順次開講する。
日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)の公認を受け開始する日本初のMOOCサービス。通常の学内講義と異なるオンライン学習に最適化したオリジナル講義を配信していく。
単なる動画コンテンツの掲載・配信ではなく、4週間の教育コースとしてパッケージされているため、受講生は10分程度の講義動画を週10本前後視聴し、ディスカッションやレポート、テストなどの課題に取り組む必要がある。世界初の試みとして、一部講義ではオンラインで学習した内容をもとに対面講義の機会を有料で設ける「反転学習コース」も提供する。
一定の条件を満たした受講者には「修了証」を発行する予定。修了証をキャリアの証明として活用できるよう、企業や大学に働きかけていくという。
現在提供が予定されている講義は以下の通り。日程が決定している「日本中世の自由と平等」(4月14日から)、「インターネット」(5月19日から)、「国際安全保障論」(6月16日から)の3講座は現在公式サイトで受講生を募集している。その他は夏以降順次開講予定。
- 日本中世の自由と平等(東京大学 本郷和人教授)
- インターネット(慶應義塾大学 村井純教授)
- 国際安全保障論(早稲田大学 栗崎周平准教授)
- オープンエデュケーションと未来の学び(北海道大学 重田勝介准教授ほか)
- 服飾の歴史と文化(文化学園 植木淑子教授、朝日真主任)
- The Uncommon Folk:Cultural Preservation in Japan(国際教養大学 ダレン・アシュモア准教授)
- 歴史都市京都の文化・景観・伝統工芸(立命館大学 矢野桂司教授、木立雅朗教授)
- マンガ・アニメ・ゲーム論(明治大学 氷川竜介客員教授ほか)
- 経営(マネジメント)入門(グロービス経営大学院 荒木博行教授ほか)
- 俳句──十七字の世界(大手前大学 川本皓嗣名誉教授)
- 化学生命工学が作る未来(関西大学 吉田宗弘教授ほか)
- 統計学・データ分析(大阪大学 狩野裕教授ほか)
- 経済物理学(広島大学 安武公一講師)
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