総務省情報通信政策研究所は4月22日、2012年度の「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」を公表した。番組放送権に加え、商品化権やパッケージ化権などを含む関連輸出額は100億円超となった。
放送コンテンツ関連輸出額の総額は104.3億円で、番組自体を完成状態で提供する番組放映権が62.2億円で全体の59.6%となった。関連領域として商品化権が16.6%、ビデオ・DVD化権が9.7%、フォーマット・リメイク権が7.0%、インターネット配信権が6.7%となった。
最も多く輸出されているジャンルはアニメ。番組放映権だけで見ると約4割だが、グッズ展開やパッケージ化に至ることも多く、関連領域も含めた総額では6割を占めた。次いで、ドラマ、バラエティが多かった。
輸出先としては、アジアが最も大きく、アニメの44.4%、ドラマの65.3%を占める。地域別に各ジャンルの割合を見ると、アジア向けと北米向けが輸出額の50%程度がアニメ、20%程度がドラマとなっているのに対し、ヨーロッパ向けはアニメが83.4%と圧倒的に多くなっている。
これまで一般的な販売形態である番組放映権のみを調査対象としていたが、12年度からグッズやビデオ/DVDなどコンテンツ活用に関する権利を初めて加えた。「経年推移でどのような傾向を示すかは継続した調査が必要」としている。
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