ソニーは5月14日、2015年3月期(2014年度)の連結最終損益(米国会計基準)は500億円の赤字になる見通しだと発表した。前期も1283億円の赤字を計上しており、最終赤字は2期連続となる。
売上高は横ばいの7兆8000億円、営業利益は5.3倍の1400億円を見込む。スマートフォンの販売台数が5000万台(前期は3910万台)に拡大するなど、営業益は大幅増を見込む一方、PC事業撤退や構造改革などに伴う約1350億円の費用を計上するのが重くのしかかる。
14年3月期:ゲーム事業はPS4発売で増収も赤字に
2014年3月期(2013年度)の連結決算(米国会計基準)は、売上高は14.3%増の7兆7672億円。円安傾向に加え、「プレイステーション 4」を発売したほか、スマートフォンが大幅に増収となった。ただ資産売却益などがあった前期からの反動に加え、PC事業売却関連の損失が膨らむなどし、営業利益は88.3%減の264億円にとどまった。
モバイル・プロダクツ&コミュニケーション分野は、スマートフォン販売の拡大で売上高は約3割増の1兆6301億円に。ただ、PC事業の損失などもあり営業損益は750億円の赤字だったが、前期(972億円の赤字)からは改善した。
ゲーム事業はPS4の発売で売上高が38.5%増の9792億円に。PS4の販売に伴う費用増、一部PC向けゲームソフトの評価減などもあり、営業損益は81億円の赤字だった。
デジタルカメラなどを含むイメージング・プロダクト&ソリューション分野は、コンパクトデジタルカメラとビデオカメラの大幅な販売減で減収だったものの、為替の好影響や構造改革費用の減少で263億円の黒字と、大幅な増益だった。
テレビなどを含むホームエンタテインメント&サウンド分野は、為替と高付加価値モデルによる液晶テレビの改善で、売上高は17.5%増の1兆1686億円に。営業損益は255億円の赤字(前期は843億円の赤字)に改善した。
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