サンダンス参加映画「HITS」、価格を購入者が決める「BitTorrent Bundle」で公開へ
コメディアンのデビッド・クロスは初監督映画「HITS」をサンダンス映画祭で上映し、幾つかのオファーがあったものの“ぱっとしなかった”ため、視聴者が自分で支払額を決められるBitTorrent BundleのPWYWでの映画公開を決めた。
コメディアンのデビッド・クロス初監督コメディー映画「HITS」が「BitTorrent Bundle」で公開される。BitTorrentが1月7日(現地時間)に発表した。公開は2月13日で、価格はユーザーが決められる。
BitTorrent Bundleは、コンテンツパブリッシャーがBitTorrentに作品を登録し、ユーザーが対価を払って視聴するシステム。価格を設定することもできるが、「pay-what-you-want(PWYW、払いたい価格を払え)」オプションを適用すれば、文字通りコンテンツを視聴する側が価格を決められる。パブリッシャー側は公開用のインフラの管理の必要がなく、料金を直接獲得でき、ユーザー側は応援したいパブリッシャーに好きなだけ支払える。
BitTorrent Bundleは、レディオヘッドのトム・ヨークが昨年、新作ソロアルバムを同サービスを使ってリリースし、発売から24時間で11万6000のダウンロードがあったことで注目を集めた。
デビッド・クロスはオンラインだけでなく、映画館での上映も計画しており、「映画館レンタルや宣伝」のための費用捻出のためにKickstarterのプロジェクトも立ち上げた。現在50館で上映する予定だが、目標額の10万ドルを超えれば上映館を増やすとしている。
BitTorrentのPWYWでの公開を試みる理由としてデビッド・クロスは、この映画で昨年のサンダンス映画祭に参加し、幾つかの大手配給会社から上映のオファーを受けたもののいずれも“ぱっとしない”条件だったからと説明している。
映画の内容は、米国の田舎町で有名になることを夢見る女性の父親が、第三者がYouTubeで公開した動画がきっかけで有名になってしまい……というコメディ。
Kickstarterでは今のところ、オンラインサービス経由での映画のデジタル版とデビッド・クロスからの感謝状がもらえる20ドルの出資が人気だ(支援者数は199人)。
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