「猫が顔を洗うと雨になる」はホント? 猫とお天気の不思議な関係
「猫が顔を洗うと雨になる」「猫のヒゲが下がっていたら雨 」――こんな話を聞いたことがありませんか? 季節ごとの気温や気圧の変化に敏感に反応する猫たち。迷信や言い伝えが多い猫は、同じペットである犬に比べるとちょっとミステリアスな存在でもあります。知られざる猫と冬のお天気との関係を探ってみました。
猫はよく顔を洗っていますね。もちろん人間のように水で洗うわけではなく、自分の前足を舐めてその前足で丁寧に顔をこするしぐさ、グルーミングのことです。
猫はとてもきれい好きなので、口の周りについた食べ物のニオイや汚れを落としているのですが、それだけではありません。湿気や気圧の変化を敏感に感じ取ることができるため、低気圧が近づいたときは湿気で重くなったヒゲや毛の手入れをしているのです。
そのため、「耳の後ろまで顔を洗うときはまもなく雨が降る」と言われ、「グルーミングを耳の前で終わらせるときは曇り」なのだとか。真偽のほどはともかくとして、この言い伝えは日本だけでなく世界中で広まっています。
猫は天気予報ができる?
では、猫が顔を洗うと雨が降る確率はどのくらいなのでしょうか?「ほぼ90%の確率で当たる」という説もあるようですが、残念ながら正確な統計はなく、はっきり言って科学的な根拠がないのが事実です。
実際、グルーミングは猫にとって気持ちを落ち着かせるためのもの、という説が有力です。階段から落ちてずっこけたのを見られてバツが悪いとき、獲物を取り損ねてイライラしたときなど、気持ちを紛らわすためにグルーミングをするのですね。
つまり、猫に天気予報は無理!
とはいえ、お天気や気圧の変化を敏感に感じ取って、一番居心地のよい行動を取ることは誰よりも得意なようです。太陽が当たっているときはしっかり日向で昼寝をしますし、ゴロゴロとだるそうにしているときは停滞している低気圧が関係しているのかも? 人間にはわからないうちに、猫の間では天気予報が成立しているのかもしれませんね。
寒い日もベストポジションをゲット
気温が低いと猫は体を丸めて体温を逃がさないように保持しますし、寒暖の差が苦手なので、なるべく寝てやりすごします。冬の家猫はホットカーペットが大好きですし、ストーブやヒーターの前を幸せそうに独占することも。
一方、外で過ごす野良猫はどうしているのかと言うと、案外うまく対処しているようです。日の当たる場所を求めてあちこちと移動する様は感心するほど。ある冬の夕暮れ時、戸建ての家の壁際に設置された箱の上に乗っている猫がいました。寒い日陰で何をしているのかと思った瞬間「ボッ」とガスが着火した音。つまり、猫が乗っていたのは給湯器の上だったのです! ここがやがて温かくなる場所だと、猫なりにしっかり心得ているのですね。う〜ん、お見事!!
冬の猫は毛並みが柔らかく膨らんでフワフワの触り心地です。この時期は抜け毛が少ないので抱っこしても毛があまりつかず、体温の高い猫を膝に乗せているだけでも温かいもの。昔は猫をマフラー代わりに首に巻いて勉強をしたという輩もいたそう。
天気予報はできなくても、季節やお天気の微妙な違いを感じとるしなやかな猫たち。季節の移り変わりを猫で感じとって、お互いにハッピーな関係を築いてくださいね。
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