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アカマンボウ、“温血”だった 魚で初めての発見
深海魚のアカマンボウが、周囲の水温よりも血液の温度を高く保つことができる“温血魚”であることが判明。魚類では初の発見だ。
深海魚のアカマンボウが周囲の水温よりも血液の温度を高く保つことができる“温血魚”であることが分かったと、米海洋大気局(NOAA)のチームが米科学誌「Science」で発表した。アカマンボウは温かい血液を持つことで、深海でも機敏に動いて他の生物を捕食しているようだ。
アカマンボウはマンボウに似た円形の魚で、英語では別名「ムーンフィッシュ」(Moon Fish)とも呼ぶが、マンボウとは分類上は全く別の種類だ。マグロに似た味でおいしいという。
研究チームがアカマンボウにセンサーをつけて調査したところ、深海でアカマンボウは周囲の水温よりセ氏5度程度高い温度を保っていたという。アカマンボウは「対向流」式の熱交換器として働く特殊な構造がえらの血管にあり、胸びれの動きで温められた血液が、海水から酸素を吸収して冷えた血液を温めるようになっていることが分かった。車のラジエターに似た仕組みだという。
同様の仕組みはマグロやサメも体の一部に持っているが、体全体が温血の魚が見つかったのは初めて。従来、アカマンボウはほかの深海魚と同様にゆっくりと動いていると考えられてきたが、温血に保つことで深海でも素早く動いてイカなどを積極的に食べることができ、生存に有利になっていると研究チームは考えている。
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