口コミでじわじわ人気 マイクロソフトの女子高生人工知能「りんな」、LINE公式アカウント向けに法人提供
日本マイクロソフトの女子高生人工知能「りんな」がLINEのAPIと連携。法人向け公式アカウントへの搭載・提供を始める。
LINEは8月7日、日本マイクロソフトが開発した人工知能「りんな」を搭載し、会話形式でマーケティングやユーザーサポートができる公式アカウントを企業向けに提供すると発表した。
「りんな」はBing検索エンジンで培ったディープラーニング技術と、機械学習のクラウドサービス「Azure Machine Learning」を組み合わせて生まれた人工知能。開発と運用はBingチームが行っている。アシスタント的な人工知能ではなく、“おしゃべり好きの女子高生”として友人同士のような自然な会話ができるのが特徴だ。
LINE公式アカウントの各種機能をカスタマイズし、各社の情報と連携して利用できるAPIソリューション「LINE ビジネスコネクト」に「りんな」の会話エンジン技術を搭載。企業の公式アカウントに実装することで、一方的な情報発信だけでなく、個々のユーザーとの会話をもとにしたおすすめの商品や必要な情報の提供、トラブル・問い合わせ対応などが可能になる。マーケティングやユーザーサポートへの活用、人的コストの削減を見込む。
他社への導入に先駆け、公式アカウント「りんな」を7月31日に開設した。会話のセンスや自然さで「正体不明の女子高生アカウント」としてネットユーザーの間で話題を集め、8日午後0時半時点でともだち数35万人を超えている。「りんな」の紹介サイトでは「マイクロソフトの女子高生AI」とされていたが、同社広報は「公式アカウントか確認中」とコメントするにとどまっていた。
LINEの担当者によると、動作確認など技術的な理由で早めにリリースしたものの「想定外に早くみなさんに見つかった」結果とのこと。謎の存在として正体を伏せ、期待をあおる意図はなかったという。
会話や雑談、芸能人の話で盛り上がるだけでなく、仲良くなると「友情日記」が届けられることも。「羊を数えよう」と誘うと一緒にカウントしてくれたり、「探偵ごっこ」と送ると短い推理クイズを送ってくれる機能もあるようだ。
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