ニュース
「心理学の研究成果」は6割以上が再現不能 海外研究
心理学や社会学の「研究成果」として発表されたものは6割以上が再現できない――そんなショッキングな実験結果が発表された。
「これは心理学の研究成果だ」と言われると、人はつい信用してしまう。だが実のところ、心理学や社会科学の「研究成果」の6割以上は再現できない――そんなショッキングな研究結果が米科学誌「Science」(8月28日付)に掲載された。
米バージニア大学のブライアン・ノセック氏ら科学者270人による研究チームは、2008年に米国の主要科学誌3誌に掲載された100件の心理学/社会科学論文について実験結果の再現を試みた。すると、元の論文と同じ結果が再現できたのは39%にすぎなかったという。再現を試みた研究成果には、人々の知覚、意識、記憶にまつわるものや、社会生活や他者との交流に関するものなどが含まれていた。
AFP通信によれば、Scienceの編集主任を務める心理学者のギルバート・チン氏は「この結果は各学説の妥当性や虚偽性に直接言及するものではない」と話したという。一方で「今回の結果が示しているのは、原著論文にある実験結果の多くに関し、それほど信頼を置かないようにすべきということだ」とも指摘している。
関連記事
- ヘタクソな男性ゲーマーは女性に厳しく当たりがち 海外研究
ヘタな男性ゲームプレイヤーは女性プレイヤーに厳しく当たりがちだという研究結果。 - Appleロゴ、正しく描ける? 心理学者がテスト 85人中、正解はたった1人
Appleロゴを記憶だけで描いてください──米国の心理学者が大学生にテストをしたところ、正確に描けたのは85人中たった1人だったという。 - ネット検索は「自分は賢い」と錯覚させる 米研究
ネット検索は、ネット上の知識と自分の知識を混同させてしまうことで、実際以上に自分が賢いと錯覚させてしまう可能性があるという。 - 「ロボットとの性行為は50年以内に当たり前になる」と英研究者 例として日本の熱海のカレシを挙げる
「ロボットや仮想現実とのセックスは50年以内に当たり前のことになるだろう」と英国の心理学者は予測する。今後を示唆する例として挙げているのは日本だ。 - 人種、性別……人から偏見を減らす方法が見つかる? カギは「眠りと音」 米研究
音と睡眠を組み合わせることで、人が持つ人種や性別についての隠れた偏見を減らすことができたという研究を米大学が発表した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.