パンダだって恋をしたい! 好きな相手としかしたくないことが判明
ジャイアントパンダの人工繁殖がうまくいかなかったのは、好きな相手ではなかったからだ――そんな論文が発表された。
さすが草食系というか、性欲が弱いジャイアントパンダは人工繁殖が困難。「パンダ・ポルノ」やバイアグラでも成果が出ないが、好きな相手となら違うらしい。
ジャイアントパンダは自然界でも頭数が減少し、絶滅の危機に瀕している。そこで動物園での人工的な繁殖が試みられているが、あまりうまくいっていない。オスとメスの一つがいを同じ檻に入れても、たいていは相手にあまり興味を示さず、繁殖行動に結びつかない。
ジャイアントパンダは性欲が弱いと考えられ、各地の動物園と科学者たちは、さまざまな工夫を凝らしてきた。ED(性機能不全)治療薬のバイアグラを使ったり、他のパンダが生殖行動する映像、いわば「パンダ・ポルノ」で生殖のやり方を教えたりしているが、効果を上げていない。
しかし、問題はもっと単純だったという論文を、英科学誌Nature Communicationsが12月15日に掲載した。パンダも人間と同じく、結婚相手を押しつけられるのは嫌で、好きなパートナーとしか生殖行動をしたくない、というのだ。
米国と中国の科学者グループが中国・四川省のジャイアントパンダ保護研究センターで行った実験では、複数のオスとメスを柵で区切って「お見合い」させ、好意的な態度を示した相手と、攻撃的あるいは無関心な態度を示した相手を選び出した。お互いに好意的なカップルを同じ檻に入れると、繁殖の成績は高かった。しかし攻撃的あるいは無関心な相手では、繁殖はうまくいかなかったという。
チャールズ・ダーウィンが1859年に指摘して以来、動物が相手を選り好みして子孫を残すことは、科学者の共通理解になっている。しかしこれまで、パンダの繁殖にこうした考えがとられなかったことは驚くべきだ、と論文は指摘している。
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