macOSの「Safari 10」、Flashなどのプラグインが初期設定で無効に
Appleは、macOS SierraのWebブラウザ「Safari 10」では、FlashやJavaなどの“旧式の”プラグインを初期設定で無効にすると発表した。HTML5をサポートしていないプラグインが必要なWebサイトを表示するのが従来より面倒になる。
米Appleは6月14日(現地時間)、次期Mac OS「macOS Sierra」のWebブラウザ「Safari 10」では、Adobe Flashなどのプラグインをデフォルト(初期設定)で無効にすると発表した。AppleのSafariチームがWebKit.orgに寄稿したブログで説明した。
ユーザーが訪問するWebサイトが旧式なプラグイン(Flash、Java、Silverlight、QuickTimeなど)とHTML5の両方に対応している場合は、Safariは常にHTML5でそのWebサイトを表示するようになる。
WebサイトがHTML5をサポートしておらず、旧式なプラグインがどうしても必要な場合は、ユーザーはプラグインを有効にすることになる。
例えばFlashのみサポートするWebサイトを表示しようとすると、(Flashをインストール済みでも)画面に「Flashはインストールされていません」と表示され、Flashのダウンロードボタンをクリックすると、実際にはFlashはインストールされており、このプラグインを1度だけ(今回に限り)利用するか、このWebサイトでは毎回利用するか、Webサイトを開くことをキャンセルするかを選択するボタンが表示される。デフォルトでは1度だけ利用するボタンが選ばれた状態になっている。
Webサイトにプラグインオブジェクトが直接組み込まれている場合は、SafariでそのWebサイトを開くとプラグインの代わりに「Click to use <プラグイン名>」というボタンが表示される。このボタンをクリックすると、やはり3つのボタンが表示され、ここでもデフォルトでは1度だけ利用するボタンが選ばれている。
また、Safari 10にはユーザーが表示するコンテンツを管理するためのオプションとして、プラグインが有効にされたページを再読み込みするコマンドが追加される。Safariの環境設定のセキュリティタブで、どのプラグインを表示するかを選択できる。
ユーザーにとって、プラグイン利用のWebサイトを開くのが従来より面倒になる。AppleはWebオーナーに対し、訪問者にプラグインの有効化を強要しなくて済むようにHTML5を採用するよう勧めている。
旧式なプラグイン、特にFlashについては、脆弱性を悪用した攻撃の報告が後を絶たない。
米Googleも5月、年内にChromeブラウザでFlashに代えてHTML5をデフォルトにすると発表している。
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