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「撮りたい」の一瞬を逃さない ウインクで世界を切り取るウェアラブルカメラ「Blincam」(1/3 ページ)

撮りたい! の瞬間を逃さない――ウインクで視界を撮影するウェアラブルカメラ「Blincam」。日本発のスタートアップが開発する“ありそうでなかった”IoT製品として、国外のイベントでも話題を集めている。

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 今この瞬間、見ている世界をそのまま切り取れればいいのに――そんな夢をかなえるウェアラブルカメラ「Blincam」(ブリンカム)を日本のスタートアップが開発している。まばたきの動きをセンサーで感知し、ハンズフリーでシャッターをきる仕組みだ。

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Blincam

 Google GlassやApple Watchをはじめ、大手IT企業が次々とウェアラブル端末を発表していたのは記憶に新しい。Blincamは高機能で汎用性がある製品ではなく、あくまで撮影に特化していることが特徴の“ありそうでなかった”IoTガジェットだ。

 高瀬昇太CEOはアイデアが生まれたきっかけを「子どもの自然な表情を逃さず残したかったから」と話す。スポーツやドライブ、サイクリング中に、映像制作のツール、工場など手が離せない現場作業の記録など、応用が期待できる分野は幅広い。

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眼鏡のフレームに付けて使用する

「面倒だな」を1秒でも減らす

 Blincamは、眼鏡のこみかみ部分のフレームに付ける着脱式のカメラ。強くまばたきするとパシャリとシャッターがおり、スマートフォンやデジタルカメラを起動したり構えたりする必要なく、「今だ!」と思った瞬間をHD画質のカメラで逃さず収められる。特別な眼鏡は要らず、普段使いの眼鏡にプラスして付けられるのもポイントだ。

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 「どんなに面白くても楽しそうでも、ちょっとでも面倒だなと思ってしまうと、もうその瞬間に少しやる気がなくなっちゃいません?」――高瀬さんが開発する上で徹底的にこだわったのは「面倒なアクションを1秒でもなくす」ことだった。

 例えば、眼鏡のフレームへの付け方。眼鏡自体にカメラ機能を内蔵すると、いつ撮影しているのか周囲からは分からず、盗撮などを疑われる可能性もありえる。Blincamは当初から常に装着・撮影し続けることは想定しておらず、使いたい時にすぐに装着できる着脱式を考えていた。カメラの存在を外からも分かるようにしてプライバシーに配慮しつつ、普段使いの眼鏡にプラスできる気軽なスタイルだ。

 眼鏡側にパーツを事前に付けておく取り付け型、上下に挟み込むクリップ型、端から通すような筒型、マグネットピアスのように裏表から挟む磁力型などさまざまな形を検討した。眼鏡を外したりかけたりするのは手間、使わない時もパーツが付いているのはうっとうしい、などユーザー目線で「これなら使いたいと思えるか」を考え抜き、何度も作り直したという。

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重さは約30グラム
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クリップ部分は指でめくれるラバー素材。眼鏡を付け外しせずに外側から取り付けられる

 最終的には、やわらかくフィットするラバー素材のアタッチメントに落ち着いた。眼鏡をかけたまま耳元に手をやり、上からかぶせるようにフレームに取り付け、安定させるまでわずか数秒だ。

 撮影した写真は、アプリ経由でスマホから、USBケーブルをつないでPCから、撮影後すぐに確認できる。カメラとスマホアプリの連携は今や珍しくないが、その挙動にもこだわる。

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