東京メトロ、ベビーカー引きずり事故の再発防止策を追加 シミュレーターから実車訓練に
東京メトロが、電車がベビーカーを挟んだまま走行した事故をめぐり、追加の対策を発表。車掌見習い向けの訓練内容の見直し、対応マニュアルの改定などを盛り込む。
東京メトロは8月4日、半蔵門線九段下駅で電車がベビーカーを挟んだまま走行した事故をめぐり、追加の対策を実施すると発表した。事故直後から行っている再発防止策は有効だったとしつつ、車掌見習い向けの訓練見直し、対応マニュアルの改定――などの追加施策を順次実施していく。
問題の事故は2016年4月4日に発生。列車がドアにベビーカーの一部を挟んだまま発車し、子どもは乗っておらず、けが人はいなかったが、ベビーカーは約100メートルにわたって引きずられ大破した。車掌が目視点検で気付かず、非常通報ブザーが鳴っても非常停止しなかったという。
事故を受け、東京メトロは4月27日、ドアの異物検知の精度向上、ホームドアの設置、警備員の増員、非常停止合図器と自動列車制御装置(ATC)の連動による自動停止──などの再発防止策を発表。順次実施するとともに、5月6日には委員会を設け、事故原因のより詳しい究明を進めていた。
同委員会は8月4日、再発防止策が有効だったとしつつ、安全性を一層高めるために追加対策を順次行うと発表した。具体的には、車掌見習い向けの訓練をシミュレーターではなく実際の車両を使って行うほか、指導員の指導方法や評価基準にばらつきがないか見直すという。
また、車掌の確認作業に余裕ができるよう列車の停車時間を長くし、確認の手順書や異常時の対応マニュアルも分かりやすく改定。ホームに乗客が長くとどまって混雑しないように、ポスターの掲示、駅構内の放送も充実させる方針だ。このほか、出発の確認がしやすいように「視認性向上板」を設置したり、確認用のランプを遮っていた看板を移設したり――などの対策を施すという。
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