立命館大学は9月23日、股の下から顔をのぞき込ませたときに視野が平面に見え、遠くのものが小さく接近して見える「股のぞき効果」に関する研究で、第26回イグノーベル賞知覚賞を受賞したと発表した。同大文学部 東山篤規教授と大阪大学 人間科学研究科 足立浩平教授の共同研究。
股のぞきによって視野と上体を逆さまにすると、全体的に物が小さく見え、風景の奥行き感が無くなることを股のぞき効果という。これまでは「網膜の上下逆転により視覚世界が変化する」「上体の上下逆転により視覚世界が変化」の2説が有力とされていたが、東山教授らは網膜像の方向と上体の方向を分離するために、上下を逆転させる逆さめがねを使った実験を行ったという。
実験結果から、股のぞきによって遠くのものが小さく見えたり、距離が圧縮して知覚したりするのは、視野の逆転ではなく上体の逆転によるものであると突き止めた。
「今回の受賞を通じて、アメリカの学問の懐の深さを感じました。こういう浮世離れの感がする研究を真剣に取り上げ、評価してくれたことをうれしく思います。若い学生・研究者は、誰もしないこと、自分が面白いと思うことを研究してほしい。そして、この賞が、そうした研究の励みになることを願っています。また、今回の受賞を通じて、研究成果を英語で海外に発信する重要性を再認識しました」(東山教授)
イグノーベル賞は、1991年に米国の雑誌「Annals of Improbable Research」が創設。人々を笑わせながらも考えさせる業績をたたえ、並外れたものや想像力を称賛し、科学、機械、テクノロジーへの関心を刺激するために制定された。
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