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音楽業界とチケットキャンプの対立、調整できず……中村伊知哉氏、ミクシィ社外取締役辞任
中村伊知哉氏がミクシィ取締役を辞任。ミクシィ傘下のチケット転売サイト「チケットキャンプ」と、中村氏が関係する音楽関連の業界団体の板挟みに。
慶応義塾大学大学院教授で、企業の社外取締役や業界団体の理事なども務める中村伊知哉氏は10月21日、7年間務めてきたミクシィの社外取締役を20日付けで辞任したことを自身のブログで明らかにした。ミクシィ傘下のチケット転売サイト「チケットキャンプ」と、中村氏が関係する音楽関連の業界団体が対立。解決に向けた調整も実らず、「責任を感じた」としている。
中村氏は、ミクシィの取締役であると同時に、音楽制作者連盟(音制連)、音楽事業者協会(音事協)と関係しており、音制連・音事協が連携して日本のミュージシャン情報を網羅するデータベースの構築・運用にも携わっているという。
音制連・音事協を含む音楽関連4団体は8月、「チケット高額転売に反対」と訴える声明をWebや新聞に発表。「チケットキャンプ」を筆頭とする転売サイト上で、チケットを高額転売する一部業者などを批判した。声明発表前、音楽業界側とチケットキャンプは話し合いを持ったが、平行線に終わっている(関連記事:なぜ今、「転売NO」と訴えたのか――チケット高額転売問題、音楽業界の“本音” )。
中村氏は「恐らく両サイドに足場を置く唯一の者」として問題解決に取り組み、ミクシィ側と音楽業界が向き合う機会づくりに努めたが、「力が及ばず、アーティストの意見表明や、その後の報道などに至り責任を感じた」という。「現状では、私が調整役を努めるより、座を外したほうが互いに腹蔵なく対話できるのではとも期待する」としている。
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