Vine終了の舞台裏──スター達は救おうとしたが折り合わずに去った
Vine終了発表の約1年前に、Vineの人気急落を懸念したスターVinerらがVineに改善案を提供し、最終的には有償でコンテンツを投稿すると交渉したが折り合わず、サービスから去っていたと、Vineとの会合に出た複数のVinerへのインタビューを基にMic Networkが報じた。
米Twitter傘下のVineの人気が衰え始めた2015年秋のある日、Vineのオフィスでは18人のトップクリエイターとVineの担当者との、Vine改善のための話し合いが行われた──。米メディアのMic Networkは10月29日(現地時間)、会合に参加した複数のトップクリエイターへのインタビューを基にしたVine終了にまつわる記事を掲載した。
Vineは27日、動画投稿サービスVineの提供を数カ月中に終了すると発表している。
会合は、Vine人気が急落していることに気づいた人気Viner(Vine投稿者)のマーカス・ジョーンズ氏(フォロワー数6100万人)とPiques氏(ユーザー名、フォロワー数3100万人)が中心となって企画した。
人気Vinerたちはそれ以前からグループチャットで改善案を話し合い、ワードフィルター機能などをVineに提案していたという。
「私たちはこうした改善がいかに重要かをVineに説明したが、Vineは変更しなかったし、したときには遅すぎた」とPiques氏。
会合では、Vinerたちは出席した18人全員にVineが各120万ドル(約1億2500万円)ずつ支払い、提案した改善も実施すれば、全員が毎月1本はオリジナルコンテンツを投稿するか、週3本投稿するが、もし断るなら他のサービス(YouTubeやInstagramなど)に移行すると提案した。
Vineは当初、この提案を受け入れる意向だったが、この交渉が米BuzzFeedの報道によって明るみに出、支払いを求めるVinerは21人に増えたという。
最終的にはこの交渉は決裂し、スターVinerたちは提案通りに主な活動の場を他のサービスに移した。
この会合の時点で既に、多くのスターVinerはYouTubeやInstagramでも活躍していた。女優のアマンダ・カーニー(フォロワー数470万人)はインタビューで「みんなVineの成長が鈍化する一方でInstagramが伸びていることに気づき始めた。だから、VineよりInstagramに多く投稿するようになっていった」と語った。同氏のInstagramでのフォロワー数は本稿執筆現在930万人だ。
Facebook傘下のInstagramは、立ち上げ当初は画像のみの投稿サービスだったが、今では動画も投稿できる。
Vineでは70万人の、YouTubeでは457万人のチャンネル登録者を持つsWooZie氏(ユーザー名)はインタビューで、「VineはYouTubeと違ってクリエイターとあまり積極的にかかわらない」と指摘し、「サービスから個性的なクリエイターがいなくなれば、残るのは猫の動画やパーソナルな動画だけだ。それではみんな離れていく」と語った。
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