井山裕太六冠、日本最強の囲碁AI「DeepZenGO」と対局へ 来年3月「ワールド碁チャンピオンシップ」開催
日本最強の囲碁AI「DeepZenGO」と、日・中・韓のプロ棋士が対局する「ワールド碁チャンピオンシップ」が来年3月に開催。日本代表は井山裕太九段だ。
日本棋院は11月29日、囲碁の人工知能(AI)が日本、中国、韓国のトップレベルのプロ棋士と総当たり戦で争う「ワールド碁チャンピオンシップ」を2017年3月21〜23日に開催すると発表した。AI側は「第2回電王戦」で趙治勲名誉名人と対局した「DeepZenGO」、日本代表は六冠を保持する井山裕太九段が出場する。中国、韓国の代表は未定。
ルールは総当り戦で、勝数が同じ場合は優勝決定戦(プレーオフ)を3月24日に行う。ハンディキャップなしの互先(たがいせん)で、持ち時間は3時間。賞金は優勝で3000万円、準優勝で1000万円、3位と4位が500万円。
“AI代表”の「DeepZenGO」は、米Googleの囲碁用AI「AlphaGo」を上回る性能を目指し、16年3月から開発中のソフト。囲碁ソフト「Zen」開発チームのチーフプログラマー・尾島陽児さんを中心に、東京大学やドワンゴが共同で開発を進めている。ドワンゴが11月に主催した第2回電王戦では、趙治勲名誉名人を相手に1勝2敗の成績を収めている。
DeepZenGO開発チームの加藤英樹代表は「棋戦まであまり時間がないが、Zenの改良に全力を注ぎ、恥ずかしくない結果を残したい」としている。
対する日本代表は、棋聖など6タイトルを保持している井山裕太九段が出場。井山九段は「このような素晴らしい大会に日本代表として出場できることを大変光栄に思っている」「記念すべき大会を盛り上げられるように、自分のベストを尽くし、よい闘いができれば」と意気込んでいる。
関連記事
- 「人間と人工知能、どちらが上ということはまだ私には言えません」――世界ランク3位・井山棋聖、AlphaGo勝ち越しは「大変なこと」
「この5番勝負でどちらが上ということはまだ私には言えません」――世界ランク3位の井山裕太棋聖がAlphaGoに対するコメントを公表した。 - 「人工知能に負けても恥ずかしくない」――囲碁電王戦から見えた「DeepZenGO」の強さと課題
「第2回囲碁電王戦」を終え、対局した趙治勲名誉名人と「DeepZenGO」開発者の加藤英樹さんが勝因、敗因を振り返った。 - 電王戦最終局、趙名誉名人が勝利 囲碁AI「DeepZenGO」に勝ち越し
第2回囲碁電王戦の第3局は、趙治勲名誉名人が囲碁ソフト「DeepZenGO」に勝利。三番勝負を勝ち越した。 - 囲碁AI「AlphaGo」勝利は「衝撃的な結果」「棋士になって1番ショック」――プロ棋士や開発者の反応は
Googleの開発する囲碁AI「AlphaGo」が世界トッププロに勝利を収めた。「衝撃的な結果」「歴史に残る日」――日本のプロ棋士や開発者の反応をまとめた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.