「ホログラフィック」と本当に名乗っていいの? 米MS担当に聞く「HoloLens」命名の理由(2/2 ページ)
「HoloLensって本当にホログラムなの?」「視野角の狭さは?」「日本の開発者に期待することは?」――来日した米MicrosoftのHoloLens担当者に数々の疑問を聞いてみた。
「VRは『仮想世界にいるんだ』ということを頭で納得する必要がある。そのためには広い視野角が必要だ。しかし、HoloLensは現実から引き離すデバイスではない。現実世界が見えるほうが重要。周囲が見えることで、装着したまま安全に歩き回れるよう意図している」(リードさん)
さらに、視野角が狭い理由として描写するグラフィックの密度向上を挙げる。
「HoloLensでは、広い視野角よりも表示される物体が本物のように見えること、細かい文字がしっかり読める高精細さを重視している。これはビジネス用途で最重視されるものだ。中央に視線を合わせたとき、他の場所に目のフォーカスは合わない。視野角を広げるよりも、表示されるグラフィックの密度を上げることが最優先される」(リードさん)
HoloLensのようなMR HMDデバイスは、自動車のモデリングといったクリエイティブな作業や、機械メンテナンスの作業員をサポートするなど、ビジネスでの利用が多数提案されている。そういった用途では、見渡せる範囲よりも高品質な表示クオリティーが求められるという。
日本の開発者に期待することは?
HoloLensの国内投入により、Windows Holographic関連におけるアプリケーション開発の機会が増えることが見込まれるが、同社が日本のデベロッパーに期待することは、より多くの人がHoloLensに触れることでアイデアが拡張されることだという。
「どんなアプリケーションが作れるかは、あくまで人々の想像力にとらわれてしまう。1人1人の想像力に限界がある中でも、より多くの人々、企業、市場、国が(Windows Holographicに)関わることでイマジネーションの幅が広がるはずだ」(リードさん)
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