AWS、専用大型トラックでエクサバイト規模のデータを搬送する「Snowmobile」
AWSが、大容量のデータを企業のデータセンターからAWSのデータセンターに搬送するための専用コンテナトラックサービス「AWS Snowmobile」を米国リージョンでスタートした。100PB(ペタバイト)保存できるストレージコンテナを搭載した大型トラックでデータを運ぶ。
米Amazon.com傘下のAWSは11月30日(現地時間)、ラスベガスで開催の年次イベント「AWS re:Invent 2016」で、“エクサバイト規模”のデータをオンプレミスからAWSのデータセンターに専用トラックで搬送するサービス「AWS Snowmobile」を発表した。
同社は2015年のre:Inventでは「Amazon Snowball」という名称のデータ搬送用ポータブル記憶装置を発表しており、Snowmobileはその大型版だ。
まずは米国の一部のリージョンで提供を開始する。料金は、専用トラックがAWSから出発してから依頼者が託したデータをAWSに持ち帰り、AWSへのアップロードが完了するまでの作業コストと、利用する容量から見積もるとしている。
Snowmobile用の専用トラックは、1台で最大100PB(ペタバイト)のデータを保存できる。トラックに搭載するストレージをNFSで依頼者のストレージに直接接続してコピーし、AWSに持ち帰る。100PBコピーするには、約10日間かかるという。
Snowmobileのトラックは45×9.6×8フィート(約13.7×2.9×2.4メートル)の耐タンパー性コンテナを搭載する。防水と温度調整機能完備だ。依頼するにはこれだけのサイズのトラックを駐車するスペースの確保が必要だ。また、350kWの電力を消費するため、対応できる電源も必要だが、AWS側で発電機を手配することも可能。トラックに保存するデータは暗号化される。コンテナにはGPS追跡機能も付いており、オプションで警備車両による護衛を付けることも可能だ。
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