ロボットが集まるイベント「第1回 ロボデックス」(1月18〜20日、東京ビッグサイト)の片隅に、ひっそりと目立たないロボットがいる。サイズは、筆者の身長(160センチ)の約半分くらいの大きさで、存在感がないわけではない。チラシを手に挟み、来場者に渡そうとしているのだが、動きが少なくあまりにもおどおどしているため、つい通り過ぎてしまうのだ。彼の名は「iBones」。小刻みに揺れ、おどおどしながらティッシュやチラシを渡してくれる。
足元にはレーザーが付いており、人が近くにいるかどうかを判定。顔認識はできないものの、人との距離をみながらチラシを差し出してみたり引っ込めてみたりする。
物の受け渡しにちょうどいい距離になれば、紙を持った手をそっと差し出す。受け取ると、指のセンサーで受け取ったかどうかを判断し、受け取ったと判定されれば控えめなお辞儀をする。iBonesがおどおどしているときでも、こちらから紙を引き抜けばお辞儀をしてくれる。開発したのは、豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 インタラクションデザイン研究室の学生だ。
iBones
AIを用いた会話や高度な音声認識技術をアピールする企業が多い中、展示会の片隅にいた何も言わないロボット。その言葉にはならない表現力は、言葉をはるかに超えていた。
(太田智美)
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