「2つの顔、元は全く同じなのにコントラストが高い方は女性に、低い方は男性に見える」──2月1日、Twitterに投稿された画像付きツイートが一部で話題になった。女性と男性の写真が並んでいるように見えるが、実は2つの顔は同一人物であるという。
同じ顔なのに性別が異なって見える理由は、写真のコントラスト(明暗の差)が異なるためだ。中性的な顔の写真を、それぞれコントラストを強めたり(左)、弱めたり(右)すると、性別が異なって見えるという。
この錯覚を利用した写真は、米ハーバード大学の心理学者であるリチャード・ラッセル博士が2009年に発表した論文「A sex difference in facial contrast and its exaggeration by cosmetics.」(顔のコントラストによる性差と化粧品の強調)で公開したもの。
同論文によれば、この写真を使った研究によって、人間が顔から性別を知覚するときに「コントラストの違い」が大きく影響を及ぼすことが明らかになったという。この研究内容を紹介した書籍「なぜ『つい』やってしまうのか 衝動と自制の科学」(デイビッド・ルイス著、CCCメディアハウス)によれば、この画像で利用した顔は、中性的な顔を得るために男性と女性の顔をコンピュータ合成して作成したものだという。
コントラストが強く明るい画像は女性的と知覚され、コントラストが弱く暗い画像は男性的に知覚される──ラッセル博士の論文では、「女性が化粧をすることは、顔のコントラストを上げることと同様である」とも結論づけている。
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