電気通信大学、金沢大学などは4月4日、最大1メートルの段差を登れるというヘビ型ロボット「T2 Snake-3」を開発したと発表した。工場・プラントなどの狭い通路や急な階段を移動でき、搭載するカメラの映像を見ながら約1時間にわたり遠隔操作できるという。
ロボットは、10個の車輪部分を直列につなげた構造。1対の車輪のうち、片側のみをモーター駆動、もう一方を空転する受動輪とし、受動輪の内側にバッテリーを搭載している。全身にバッテリーを分散して搭載したことで、これまで難しかったロボットの小型化と約1時間の動作時間を両立させたという。
先端と最後尾にカメラを搭載するほか、全身に赤外線センサーを複数台配置。センサーが地面に接することなく、車輪の接地状態や地面との角度を検出し、胴体が障害物に引っかからないようにコントロールするという。操縦者は、ロボット先頭の車輪部分の動きだけを指示すればよく、他の胴体部分がバランスを保ちながら自動で追従する。
胴体の細さを生かし、120(高さ)×250(幅)ミリの狭い道も通れる。センサーが読み取った周囲の情報を基に障害物を乗り越えたり、胴体の長さを生かして最大1メートルの段差を登ったりできるという。首の部分を持ち上げ、ロボットアームのように動かせるほか、先頭部にロボットハンドを搭載し、物を拾ったり、操作盤や機器類を触ったりも可能という。
車輪部分の間をつなぐ関節用に17個、車輪用に10個のモーターを使っている。全長は約1730ミリ、重さは約9キログラム。将来的には、工場・プラント内の巡回やインフラの点検などへの活用を見込む。
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