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手話をリアルタイムで自動生成する技術がすごかった IOCと連携、東京五輪で活用へ:NHK技研公開2017
NHK放送技術研究所の一般公開イベントに行ってきた。数ある展示の中から気になった展示を紹介する。
NHK放送技術研究所が開催するイベント「NHK技研公開2017」(5月25〜28日)が今年も始まった。このイベントは年に1度、放送に関する最新の技術を一般に公開するというもの。入場無料で、毎年開催している。今年はどのような展示があるのか見てきた。
2020年の東京五輪・パラリンピックに向け開発されているのが、「手話CG自動生成技術」だ。これは、聴覚障害者が、五輪中継などの番組をより楽しめるよう開発されたもの。試合中の出来事を、リアルタイムで手話CGに変換し、動画として配信する。
仕組みはこうだ。「●●の××に△△の◎◎が〜〜。」といった文章のテンプレートを競技ごとに事前に用意。そこに、国際オリンピック委員会(IOC)の競技関連データを取り込むことで、手話表現に置き換える。
また、試合経過のダイジェストを知らせる手話表現も生成できる。ルール解説なども簡単な操作で見られるという。スマートフォンやタブレットで視聴の際には、競技中の笛やブザー音を端末の振動で知らせてくれる機能もある。
実はこの技術、気象情報の動画配信ではすでに活用されており、気象庁が配信する気象電文をもとに手話CGを生成している。次の実用化目標は「スポーツ番組」だが、今後は他ジャンルへの応用も検討しているという。
(太田智美)
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