大気汚染で「肌荒れ」になりやすい県、ポーラが明らかに 「男性こそナーバスに捉えるべき問題」
大気汚染物質が原因で、肌荒れになりやすい県を、ポーラと日本気象協会が発表。大気汚染による肌荒れは「男性こそナーバスに捉えるべき問題」という。
PM2.5などの大気汚染物質が原因で、肌荒れになりやすい県がある――化粧品会社のポーラと日本気象協会は6月20日、そんな調査結果を発表した。大気汚染物質は、紫外線、乾燥に次ぐ「第3の肌荒れ要因」として注意を促している。その県は……?
一般に、しみやしわなどの肌荒れは、紫外線や乾燥が原因と考えられている。同社が7〜8月(2010〜13年)に、47都道府県の女性の肌質を調査し、角層状態が悪いワースト16道県を算出。そのうち、紫外線や水蒸気密度(乾燥度合い)の影響が少ない県を分析したところ、工業煤煙(ばいえん)や自動車の排気ガスなどの大気汚染物質が原因だと分かったという。
大気汚染物質が肌荒れになりやすい地域には、(1)その地域で汚染物質が生まれている「滞留型」、(2)他地域から物質が流れ込む「流入型」がある。滞留型は、新潟県、富山県、広島県、滋賀県、千葉県の5県。工業地帯があり人口も多く、山地の存在や夏の風の弱さが原因で、汚染物質がとどまりやすいという。
一方、流入型の地域は栃木県と茨城県が該当。東京都や千葉県で発生した物質が海風によって流れ込んでいるという。特に夏場は、気圧差で海風が生じやすく、汚染物質の付着量も増加すると、同社は指摘している。
「男性こそナーバスに捉えるべき問題」
「PM2.5や光化学オキシダントなどの大気汚染物質は、角層細胞よりもサイズが小さく、肌の奥深くまで侵入し、炎症やくすみ、しわなどを引き起こす」――ポーラ化成工業肌科学研究部の水越興治主任研究員はそう指摘する。
汗や皮脂の分泌が増える夏場は、大気汚染物質の付着率が他の季節と比べて約3.7倍に増えるとも。特に、目頭や小鼻、唇のすぐ下のくぼみなどは、汚染物質がたまりやすいという。「くぼみに中指を沿わせて洗顔し、付着した汚染物質を落とす」「化粧の仕上げにパウダー類を用いる」などの対策で防げるとしている。
水越研究員は、こうした肌荒れは「男性こそナーバスに捉えるべき問題」とも話す。「男性の皮脂分泌量は女性のおよそ2〜3倍。皮脂量が多ければそれだけ肌への付着、侵入は多くなる」(水越研究員)。
男性を対象にした調査はまだ不十分だが、今後は肌以外の身体への影響も含め、さらに調査を進める考え。研究結果は、汚染物質の除去に適した化粧品や、サプリメントの開発などにも生かすという。
「肌荒れに限らず、外的要因の身体への影響の研究はまだまだこれから」(水越研究員)
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