東京証券取引所は6月23日、東芝の上場市場を8月1日付で東証1部から2部へと指定替えすると発表した。2016年度期末(17年3月末)時点で「債務超過の状態であることが確認されたため」。今期末までに債務超過を解消しなければ、上場廃止になる恐れがある。
東芝は16年度通期決算、有価証券報告書について、監査法人の承認を得られず正式発表が遅れている。同社が6月23日に発表した16年度通期業績見通し(16年4月〜17年3月)によれば、最終赤字が9952億円に拡大(5月時点では9500億円だった)。これに伴い、17年3月末時点の債務超過額も5400億円から5816億円に増大した。
同社によれば、米原子力子会社Westinghouse Electric Companyの破綻で、東芝が米国の電力会社に支払う「親会社保証」の見積額を反映したことや、15年の会計処理問題の損害賠償請求を巡る引当金を計上したことで最終赤字が増大したという。
東芝は、損失の穴埋めとして半導体事業を分社化。17年4月に設立した「東芝メモリ」の一部株式の売却を急ぎ、債務超過を解消することで、上場廃止を回避する考え。
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