セブンとアスクル、生鮮食品の宅配で連携 きっかけは「倉庫火災」
セブン&アイ・ホールディングスとアスクルが提携し、生鮮食品の宅配サービス「IYフレッシュ」を11月末に始める。
セブン&アイ・ホールディングスとアスクルは7月6日、ネット通販事業で業務提携すると発表した。2017年11月末に生鮮食品の宅配サービス「IYフレッシュ」(仮称)を共同で始めるほか、両社ECサイト「オムニ7」(セブン&アイ)と「LOHACO」(アスクル)で相互送客を行う。セブン&アイの生鮮品などのノウハウと、アスクルのECサイト、物流システムを組み合わせる。
IYフレッシュは、生鮮食品やセブン&アイのプライベートブランド「セブンプレミアム」の商品を、注文した翌日に届けるサービス。アスクルの自社流通網「Happy On Time」を活用し、配送時間帯を1時間単位で指定できる。メインターゲットは30〜40代の有職女性、子育て中の女性。セブンプレミアムの商品を組み合わせて10分以内に作れるオリジナルレシピも提案し、利用を促す。
17年11月末に東京都新宿区、文京区でサービスを始め、18年5月に東京西部・北部、18年中に東京23区、20年秋ごろに首都圏へと拡大させる考え。
ECサイトの連携も強化。オムニ7、LOHACOでは、双方の製品を表示して購入できるようにする。セブン&アイはコスメや生活雑貨、LOHACOは文房具やオフィス用品というように、取り扱う商品のジャンルが異なるため、補完関係を築けると見込む。
アスクルの倉庫火災、きっかけに
「自前にこだわって(ECサイトを)構築しているのでは、ユーザーのニーズに間に合わない」――セブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長はそう話す。両社の連携は、目まぐるしく変わる消費者ニーズに応える“スピード感”を重視したためという。
アスクルは今年2月、埼玉県の物流倉庫で火災が発生。井阪社長は火災の一報を受け、日頃から意見交換をしていたアスクルの岩田彰一郎社長に「倉庫も含めて何か助けになれないか」と打診。互いの強みを生かすサービスを作ろうと、数カ月後に事業を始めるスピードで計画を進めたという。
岩田社長は「火災の影響で、(アスクルは)まだ物流の立て直しの最中」と話す。「IYフレッシュを東京都の2区で“スモールスタート”するのは、取り扱い量が増えすぎないようコントロールするため。その間にノウハウを蓄え、一気に展開していきたい」(岩田社長)
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