有給休暇「日数増やして」より「買い取って」 休めない理由は
有給休暇の「取得率100%」や「日数増加」を望む人よりも、「買い取ってほしい」人が多い――BIGLOBEが調査。
有給休暇の「日数増加」「消化率100%」よりも「買い取り」を望むビジネスパーソンが多い――BIGLOBEのネット調査でそんな結果が出た。
有給休暇に最も希望することは「買い取り」が45.3%と最も高く、「取得率100%」(33.9%)や、政府が「働き方改革」の一環で検討している「日数増加」(20.8%)を上回った。「現実的に仕事を休めない状況に対し、せめて余ってしまった休暇を買い取って欲しいという願望がうかがえる」(BIGLOBE)
有給休暇を取れない理由は
では、なぜ有給休暇が取れないのか。取得しづらい理由は「職場に休める空気がないから」(33.6%)が世代を問わずトップ。ただ、2位以下は若手世代、ベテラン世代で異なった。
20〜30代の2位は「上司・同僚が有給休暇を取らないから」(32%、23.4%)だが、40代は「自分が休むと同僚が多く働くことになるから」(27.5%)、50代は「自分で仕事をコントロールできない業務だから」「業務対応が発生するかもしれないから」(いずれも22.2%)だった。
役職別だと、一般職は「職場に休める空気がないから」(36.1%)や「上司・同僚が有給休暇を取らないから」(24.3%)が上位を占めたが、管理職は「業務対応が発生するかもしれないから」(28%)、「職場に休める空気がないから」(25.4%)と答えた人が多かった。
BIGLOBEは「気遣いや配慮によって休まない人が多い」「管理職は仕事に対する責任感によって休むことが難しい状況がうかがえる」と分析している。
変えるべきは「制度」か「意識」か
「多くの人にとっての理想は、有給休暇を気兼ねなく自由に取得できる環境の実現。だが実際はとても理想を実現できる状況ではなく、諦めや絶望感を感じているように思える」――BIGLOBE広報宣伝部の中井圭さんはそう話す。
自分が勤務する会社には「有給休暇を取りやすくする工夫がない」と感じる人は74.4%を占めた。「実際に取れないなら、せめて本来なら享受できたメリットを、金銭に変えたいという人が多いのでは」(中井さん)
有給休暇を取りやすくするには、会社の制度、個々の意識のどちらを変えるべきだろうか。同調査では「会社の制度」(66.6%)が「個々の意識」(33.4%)を上回った。「職場の休めない空気」を改善する制度作りが求められているのかもしれない。
調査は7月18〜19日に、日本全国20〜50代の男女1000人を対象にネット上で実施した。
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