分かりやすかったのが「8の字回し」
旭化成エレクトロニクスの疋田(ひきだ)さんは「スマートフォンにはたくさんの部品が詰め込まれているため、電子コンパスが検出したデータは部品から発生する磁気と地磁気が混ざったものになっています。部品から発生する磁気を特別な方法で調べ、地磁気のデータだけを取り出す作業が電子コンパスの調整です」と説明する。
その方法として、「スマホをいろいろな方向に振る」のがポイントだという。方向の変化が少ないと調整がなかなか完了しない一方で、具体的にどうやってスマホを振ればいいのか分からない――そんな背景があり、多くのユーザーにとって分かりやすく、確実にスマホをいろいろな方向に振ってもらえる「8の字回し」を考案したそうだ(8の字回しや、電子コンパスの自動調整は旭化成の特許技術)。
「スマホを手に持っているときは方向もいろいろ変化するので、電子コンパスがデータを収集して自動的に調整することも多くある。その場合、8の字回しは必要ありません」(疋田さん)
8の字回し以外にも、最近では「iPhoneを傾けながら円を一周描く」という調整方法も見られる。「コンパスの調整」画面は自分で呼び出せるものではないが、一度は見たことがある人もいるだろう。
いずれにせよ、最近のスマホは高機能化が進み、以前ほど電子コンパスの調整動作をする機会はなくなってきたように思える。最近スマホを買ったという人は、そもそも8の字動作自体を知らない人も多いはずだ。“8の字しぐさ”は時代の変化と共に今後は見られなくなってしまうのかもしれない。
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