UberのCEO就任ほぼ確実なExpediaのCEOは反トランプのイラン系米国人
最終決定はまだだが、UberのCEO就任がほぼ確実なExpediaのダラ・コスロシャヒCEO(48)は、子どものころイラン革命で米国に移民してきた米国人。トランプ政権に批判的だ。
米Expediaのバリー・ディラー会長は8月28日(現地時間)、ダラ・コスロシャヒCEO(48)が米UberからCEOに指名されたことを受け、全社従業員宛書簡を送った。Uberはまだ新CEOを正式に発表していないが、27日に決定したと多数のメディアが報じた。
ディラー氏は「まだ決定してはいないが、ダラと話し合った結果、彼が申し出を受けるだろうと確信した。彼はExpediaの未来に情熱を持ち、われわれに対して強い忠誠心を持っているので葛藤があるだろうと思う。ダラはすぐにでも全社の皆さんと話したいだろうが、すべてが決定するまで待つよう私が止めている。もし彼がExpediaを離れるとしたら非常に残念だが、祝福したくもある。彼は素晴らしい12年間をExpedia構築にささげてくれた。(UberのCEOになることが)彼が望む次の冒険なのであれば、成功を祈る」と書いた。
コスロシャヒ氏は子どものころに革命勃発のイランから家族とともに米国に来た米国籍を持つ移民。ロードアイランド州のブラウン大学で電気・電子工学を修めた後、投資銀行のAllen & Companyを経てVimeoや旧About.comを持つインターネット企業IACに入り、CFO(最高財務責任者)を務めた。IACが2005年に傘下のExpediaをスピンアウトする際にExpediaのCEOに就任し、同社の売上高を12年間で4倍以上に成長させた。
米キャリア情報サイトGlassdoorのCEO人気ランキングではかなり上位で、2017年は34位だった。このランキングは従業員による投票で決まるものだ。
個人の公式Twitterでは、ドナルド・トランプ米大統領に対する批判的なツイートが散見される。例えばシャーロッツビルの事件について極右の行為を批判しなかったトランプ氏について「大統領が職務をきちんと遂行してくれる時をずっと待っているのだが、何度も期待を裏切られている」とツイートした。
この点ではCEOは退いたものの、まだ大株主である創業者のトラヴィス・カラニック氏と共通している。
関連記事
- UberのCEO最有力候補メグ・ホイットマン氏「HPEを辞めない」ときっぱり
Uberの次期CEO候補とうわさされるHPEのメグ・ホイットマンCEOが自身のTwitterアカウントで、「UberのCEOがメグ・ホイットマンになることはない」ときっぱりツイートした。 - UberのカラニックCEO、ドライバーと口論する動画リークでコミュニティーに謝罪
セクハラ問題やWaymoによる特許訴訟など、問題が続くUber。今度はドライバーとトラヴィス・カラニックCEOとの車中での口論動画が公開された。カラニック氏は公式ブログでドライバーとコミュニティー全体に謝罪した。 - Uberでのセクハラ放置問題、元エンジニアがブログで暴露
UberのSREチームで仕事のスキルでは高評価を受けていた女性エンジニアが、上司のセクハラを放置し、女性差別の訴えを聞き入れない人事部に嫌気がさして退社した後、その経験をブログで紹介した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.