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「メスがペニス持つ昆虫」日本人らの研究にイグ・ノーベル賞
「イグ・ノーベル賞」の2017年の受賞者が発表され、生殖器の形が雌雄逆転した昆虫を明らかにした、日本人らの研究が生物学賞を受賞した。
ユニークな研究に贈る「イグ・ノーベル賞」の2017年の受賞者が9月15日に発表され、生物学賞に、生殖器の形が雌雄逆転した昆虫の存在を明らかにした、北海道大・吉澤和徳准教授、慶應義塾大学・上村佳孝准教授などによる国際研究チームが選ばれた。日本人の受賞は11年連続。
この昆虫は、ブラジルの洞窟に住むチャタテムシの1属で、「とりかへばや物語」にちなんで「トリカヘチャタテ」と名付けられた。
メスがペニスのような交尾器を持ち、オスに挿入することで交尾を行う。この「メスペニス」の根元には多くのとげが生えており、約40〜70時間と長い交尾時間中、メスはオスをしっかり拘束して精子を受け取るという。
吉澤准教授らは「洞窟で調査中」のため授賞式に出席できなかったが、洞窟で撮影されたビデオメッセージが会場で流れた。ビデオメッセージで吉澤准教授は「世界中の辞書には、ペニスは男性のものと書かれているが、われわれの発見により、すべての辞書が時代遅れになった」などとコメントし、会場をわかせた。
授賞式の様子。生物学賞の発表は1時間5分ごろから
イグノーベル賞は、1991年に米国の雑誌「Annals of Improbable Research」が創設。人々を笑わせながらも考えさせる業績をたたえ、並外れたものや想像力を称賛し、科学、機械、テクノロジーへの関心を刺激するために制定された。
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