「電話番号教えて」「え、ケンカ番長?」──ロボット型携帯電話「ロボホン」(シャープ)との漫才のようなやりとりが、「東京ゲームショウ2017」(千葉・幕張メッセ、9月21日〜24日)のNTTレゾナントブースで楽しめる。
“ボケるAI”は、日本大学 文理学部 情報学科 宮田研究室との共同出展。「ほぼ2人でプログラミングした」と、同研究室の呉健朗さんは話す。
「Pepperなどのロボットが街中にあふれていますが、まだまだロボットとは気軽に話しにくいという空気があります。ロボット側にユーモアがあればより接しやすくなるのではと思い、開発しました」と説明する。
ロボホンの音声認識を使い、例えば「埋蔵金について教えて」と言うと、「え、大胸筋?」などと、ユーモアたっぷりにズレた回答をしてくれる。
ボケる単語の生成には、主に3つの要素が使われているという。それは、「単語間の意味の差の距離」「単語間の音の近さ」「単語の認知度の高さ」。埋蔵金と大胸筋を例にとると、両者の意味がどれだけ離れているか、音がどれだけ近いか、誰もが知っている単語を使っているかどうかなどを判定している。
単語の抽出には、「Word2Vec」というディープラーニングの技術を活用。今回はWikipediaのデータを参照しているという。ロボホンは「ドラマ好き」「侍好き」などから性格を選べる。例えば侍にすると、「ミンミン蝉」を「新選組」に聞き間違える。
「この技術は、チャットボットやクイズゲームなどにも応用できると考えています。コンピュータ相手のクイズゲームは味気ないことがありますが、ユーモアある回答をしてくれれば、また違った楽しみ方ができると思います」(呉さん)
東京ゲームショウ会場でロボホンを見かけた際は、“AIのボケ”の実力を試すチャンスだ。
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