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Google Homeで「ラジカセがあった時代」にタイムスリップ「スマスピ」おしゃべり広場

Google Homeの音楽機能を試してみたのだが……。

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 スマスピ連載2回目は松尾がお届けする。

 日本で手に入るスマートスピーカー2つを買った。先行販売で入手したLINEのWAVE(現在はClova WAVEと改名している)とGoogle Homeだ。今回は近所のauショップで買ったGoogle Homeの音楽機能について語りたい。

 Google HomeはGoogleの製品だから自分のところの音楽サービス、つまりGoogle Play Musicしか対応しなそうだが、Spotifyの、しかもSpotifyの無料プランに対応してくれている。

 Spotifyの無料プランはもちろん機能制限がある。音質はOgg Vorbisの160kbpsで、アーティスト、アルバム、曲名を指定して再生することはできない。できるのはプレイリスト、そのアーティストや曲を起点としたラジオステーションの再生のみ。特定の曲やアーティストを指定しても、その楽曲やバンドの曲が最初に流れるとは限らない。それでも無料でサウンドを楽しむことはできる。LINEのように月額960円を課金されることはない(もっとも、先行販売なら最初の6カ月、キャンペーン版ならば12カ月分がバンドルされる)。

 Spotifyのもう1つのプラン、Premiumにすると、音質はOgg Vorbisの320kbpsになり、曲、アーティストの指定もできる。

 Google Homeの音楽サービスをSpotify Premiumに設定してみた。

「アイ・ジー・ワイをかけて」

「ドナルド・フェイゲンのイチドットジードットワイドットをスポティファイで再生します」

 Google Homeはそう言って、ドナルド・フェイゲンのI.G.Y.をかけてくれた。I(アイ)を1(イチ)と間違えるのはちょっとアレだけど、ちゃんと目的の曲をかけてくれる。

「トトをかけて」

「すみません。お役に立てそうにありません」

「ホールド・ザ・ラインをかけて」

「トートーのホールド・ザ・ラインをスポティファイで再生します」

 Google HomeさんはTOTOをトートーと呼ぶ。トイレタリーメーカーのTOTOがトートーだからなのか。君を少しわかった気がするよ。

 このHold The LineをGoogle HomeのスピーカーとiPhone 7 Plusの内蔵スピーカーで聴き比べてみたのだが、Google Homeの音質ははっきり言ってかなり悪い。

 音の解像度が低いうえに、低音の特定部分だけがビンビン響く。バンドのサウンドで言えばベース音だけがくっきりと浮かびあがるが、ドラムのハイハットなどはボリュームを大きくしても全てのノートは聞き取れない。この音で喜ぶのは耳コピしたいベーシストだけだろう。全体的に丸くぼんやりとした、CDの登場以降はあまり聴かなくなったサウンド。低音をブンブン鳴らす1970-80年代のラジカセみたいな音だ。

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Google Homeの音量はダイヤル式で調整することもできる

 最初にGoogle Homeの音の悪さについてSNSで発言したとき、SpotifyのFreeプランだからではないかという指摘があったので、Premiumプランに変更して再び試してみたが、やはりダメ。解像感はほとんど変わらない。音源のせいではないのだ。

 Google Homeの製品ページには高音質のハイエクスカーションスピーカーと説明されている。クリスタルクリアーな高音と深い重低音のHi-Fiサウンドという主張だ。深い重低音はまあ認めるとして、高音は全然クリアーじゃないのだけど。

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高音質

 ここは1970年代、狭い居間に置かれたラジカセを鳴らしている中学生の自分を想像してみよう。そのラジカセのスピーカーから音声で好きな曲やアーティストを4000万曲の中から音声で指定して、しかも、それに近い曲を永遠に流すことができる。素敵じゃないか。

「ねえGoogle、ユーライア・ヒープをかけて」

「ユーライア・ヒープをスポティファイで再生します」

 ユーライア・ヒープの「安息の日々」がかかった。ゲイリー・セインのベースもビンビンに響く。安っぽい重低音にぴったりなサウンド。最高。

 というわけで、音質に文句を言いつつも、Google Homeに合ったチープでディープなバンドサウンドを求めて今も聴き続けている。

 もっといいサウンドのBluetoothスピーカーを買おうかとも考えたが、実を言うと中一の時に手にした最初のラジカセ、ソニーCF-1600の中古を探すという、ちょっとおかしなことになっている。

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