DMM.comは11月21日、持ち物現金化アプリ「CASH」(iOS向け)を提供するベンチャー企業・バンクの全株式を取得し、子会社化したと発表した。買収額は70億円。10月31日付で合意したという。DMMはCASHの事業について「順調に推移している」とし、今後「圧倒的な拡大成長を目指す」としている。
バンクは、オンラインストア構築サービス「STORES.jp」創業者・光本勇介氏がCEOを務める企業で、資本金は900万円、従業員は6人。2017年2月の設立からわずか8カ月で買収されたことになる。
CASHは、売りたい商品のブランドや状態を選択し、写真を撮影すると、即座に査定金額を提示。金額に承諾するとアプリ内に「キャッシュ」(現金)が振り込まれ、銀行振り込みなどで受け取れる。6月28日にスタートしたところ利用が急増し、開始から16時間半で現金化総額は約3億6600万円に。バンクは「利用が処理能力を超えた」として翌29日にサービスを休止した。
当初は、査定を受けた商品を送る期限は「2カ月」以内で、商品を送らず返金を受ける際に手数料15%がかかっていた。このため「質屋のようなアプリ」とも評され、15%の手数料は「利息ととらえると出資法の上限を大きく超えており、ヤミ金に近いのでは」との批判もあった。
8月28日にサービス再開。査定を受けた商品を送る期限を2カ月から2週間に短縮し、返金手数料は無料にすることで、「中古品買い取りサービス」色をより鮮明にして再出発していた。再開以降の商品の買い取り金額は、6月当初より大きく下がっているようだ。
DMMによるとCASHは「8月の再開以降、事業としては順調に推移している」という。今後は「DMMグループのサービス基盤や人材、資本などを活用することで、バンクを全面的にサポートし、圧倒的な拡大成長を目指す」としている。
関連記事
- 手持ちの商品現金化「CASH」再開 “質屋”から「中古品買い取り」に
手持ちの品をすぐに現金化できるiOSアプリ「CASH」が再開。当初は“質屋”のようなアプリと報じられたが、新アプリは「中古品買い取りサービス」としてのあり方を鮮明にした。 - 「CASHってアプリどう思う?」――質屋のパパに聞いてみた
最近話題の“質屋アプリ”と呼ばれる「CASH」について、東京・谷中で質屋を営むパパに話を聞いた。 - 手持ちの品、即現金化「CASH」査定中止 初日に3.6億円分利用、「夢にも思っていなかった」と運営元
手持ちの品をスマホアプリに入力するだけで査定額が表示され、現金を受け取れるアプリ「CASH」。初日だけで3億6000万円分以上の利用があり、査定機能を停止した。 - 私物を入力するだけで即現金化 “質屋”のようなアプリ「CASH」スタート
査定金額は銀行かコンビニですぐに引き下ろせる。商品は2カ月以内に送るか、返金して手元に残すか選べる。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.