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クックパッドが10億円で買収、8.7億円減損した「サイタ」運営会社の業績「NOKIZAL」決算ピックアップ

日本全国の企業情報を取り扱うアプリ「NOKIZAL」の“中の人”が、気になる企業業績をピックアップしてご紹介します。

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 カメラや楽器などの個人指導コーチマッチング「サイタ」を運営するコーチ・ユナイテッド(東京都渋谷区)が11月29日、官報に掲載した決算公告(2016年12月31日現在)によれば、当期純利益は600万円、累積の利益や損失の指標となる利益剰余金は1億3000万円の赤字だった。同社は18年1月に親会社であるクックパッドに吸収合併される予定。

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 コーチ・ユナイテッドは07年設立。全国約6000のエリアで、カメラや語学、楽器、資格などの個人指導コーチと受講生をマッチングするサイタを運営している。

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サイタの公式サイトより

 創業者は有安伸宏氏。13年にクックパッドが10億円で買収、完全子会社としていたが、17年11月に吸収合併を発表。クックパッドはのれんの減損損失として8.7億円を計上した。

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買収当時の業績

ここがポイント

 クックパッドへの吸収合併と減損処理が発表されたコーチ・ユナイテッド。今回の決算公告では、純利益は600万円とわずかに黒字ですが、利益剰余金は1億3000万円の赤字。流動比率は資産8700万円に対し、負債1億6100万円と100%を下回っているので、売上高こそ買収前の1億円から2.7億円には伸ばせていますが、ここまでの業績推移は、買収時の評価額10億円の期待には及ばなかったようです。

 一方、親会社のクックパッド自体も16年1月のお家騒動以降、当時3000億円近かった時価総額が700億円(17年11月29日現在)にまで落ち込むなど、冴えない動きが続いています。サイタ以外にも前代表の穐田誉輝氏が管掌していたと推測される周辺事業の「Zaim」や漢方デスクといった子会社も、16年に売却したようなので、この辺りの経営方針のバタつきが影響した可能性もありそうですね。

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 サイタが新体制で再び、当初のビジョン通りの“サービスEC市場”を切り開くことができるのか、「M&Aに失敗は付きもの」という一般論の範囲でグタグダに終わってしまうのか――。今後の展開を見守りたいと思います。

コーチ・ユナイテッドの過去業績、他の企業情報は「NOKIZAL」で確認できます

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《サービス紹介》

NOKIZAL」は就活生から社会人まで、無料・登録不要で使える日本最大級の企業情報活用アプリです。4万社以上の業績情報に加え、メールやカレンダー、各企業や関連情報サービスへの外部連携も充実しており、企業情報収集をサポートします。帝国データバンクが保有する100万社以上の企業調査情報も追加利用可能です。

《著者紹介》

平野健児。新卒でWeb広告営業を経験後、Webを中心とした新規事業の立ち上げ請負業務で独立。WebサイトM&Aの「SiteStock」や無料家計簿アプリ「ReceReco」他、多数の新規事業の立ち上げ、運営に携わる。現在は株式会社Plainworksを創業し「NOKIZAL」を運営中。

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