東芝は12月13日、子会社・東芝メモリの売却先をめぐって争っていた米Western Digital(WD)と和解したと発表した。東芝メモリの日米韓連合への売却にWDが合意。お互いが提起していた訴訟を取り下げ、協業を再開・強化する。
東芝は債務超過を解消するため、東芝メモリを分社化し、産業革新機構や米Bain Capital、韓国SK Hynixなどが組む日米韓連合に売却する計画。これに対してWDが「契約違反だ」として反発し、売却差し止めを求めて国際仲裁裁判所に東芝を提訴した。また、東芝はWDを相手取り、損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
13日の発表によると両社は、お互いが提起していた訴訟を取り下げ、東芝メモリを日米韓連合に売却することで合意した。
三重県・四日市工場に建設中の次世代3次元フラッシュメモリ「BiCS Flash」製造棟への設備投資も共同で実施。岩手に建設を計画している新製造棟へのWDの参画も協議していく。Flash Allianceなどフラッシュメモリ合弁会社の契約期間は延長する。
東芝副社長・東芝メモリ社長の成毛康雄氏は「訴訟等の懸念がなくなり、WDとの協業関係を再構築することで東芝メモリの成長を加速させることができる。東芝メモリの売却は、2018年3月末までの完了に向けて予定通り進めている」などとコメントした。
WDのスティーブ・ミリガンCEOは、「合意により、合弁事業の発展や持続、ステークホルダーへの価値提供などといった重要な目標を達成するとともに、協業により製品供給を継続できることを大変嬉しく思う」などとコメントしている。
関連記事
- 東芝、「PC事業をASUSに売却へ」報道を否定 「協議入りの事実ない」
「東芝がPC事業を売却する方針を固め、台湾ASUSと交渉に入った」との一部報道に東芝がコメント。「個別企業と協議入りした事実もない」と否定した。 - 東芝、半導体子会社の売却先は「日米韓連合」に
東芝が、半導体子会社「東芝メモリ」を売却する優先交渉先を、産業革新機構、米投資ファンドなどが組む日米韓企業連合に決めた。 - SanDiskと東芝、高性能のNAND型フラッシュメモリ新製品を出荷
新型フラッシュメモリは東芝の四日市事業所の「Fab 3」で製造されるが、今年末までに、両社の合弁会社Flash Allianceと共同で建設中の「Fab 4」での生産も開始される。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.