サービスロボットの開発などを手掛けるTHKは「第2回ロボデックス」(1月17〜19日)で、「緑茶をほうじ茶に焙煎する」デモを披露した。デモに使用したロボットは、遠隔操作ができるSEED-noid-mover。お茶の味や香り、外観などで品種や生産時期、生産地などを判定する「茶審査技術」9段(最高10段)を持った茶審査技術者が遠隔でロボットを操作し、焙煎に挑戦した。
始めに、茶審査技術者が用意された緑茶の葉を100度のフライパンに入れ、水分を飛ばしながら自らの手で焙煎。その仕上げを、茶審査技術者がロボットの遠隔操作で行った。
興味深かったのは、ロボット操作に慣れていないお茶のプロが、自分の領域でロボットをうまく操れるかという点。デモでは、左手でプライパンの柄を持ち、右手でヘラを持って茶葉を煎るという工程があった。
やはり難しかったのは、「物をつかむ」という行為。なかなかつかむことができず、ヘラは補助員が手で直接ロボットにつかませ、プライパンの柄も補助員がつかみやすい位置に持っていった。
デモの時間は約5分間。4分ほど経過したところでようやくフライパンの柄をつかむことに成功したが、片手でフライパンの柄を抑えながらもう片方の手で煎る様子は、残念ながら見ることができなかった。
こういった展示会でのデモは、ロボットの得意な部分を見せるために、機械操作に慣れた人が操作することが多い。そんな中で、普段あまり機械に接することのない別の専門領域を持った人が、自身の分野でロボットを利用する様子が見れたことは貴重に思う。
(太田智美)
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東京ビッグサイトで開催中の「第1回 ロボデックス」に展示された。
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