好きな場所でそのまま座れる「身に着けるイス」、2018年春発売 外科手術などにも活用:ロボデックス
「第2回ロボデックス」で、好きな場所でそのまま座れるウェアラブルチェアが展示された。
足に装着し、好きな場所でそのまま座れるウェアラブルチェア「archelis」が、「第2回ロボデックス」(1月17〜19日、東京ビッグサイト)で展示された。医師の身体的負担を軽減するために開発。膝の内側にあるボタンを押すと2段階の姿勢で固定でき、“座る”ことができる。
人間工学に基づくデザインで、可能な限り自然な動きや状態で使えるよう設計。体重をモモとスネで支え、体幹を安定させることで腰や下半身への負担を軽減させるという。
一見「パワースーツ」のように見えるが、それとは別のもの。モーターなどを使い“動の状態”をサポートするパワースーツに対し、archelisは“静の状態”を支援するものだ。モーターや電池などを使っておらず、他の医療機器への電波干渉なく使える。充電やバッテリー切れの心配も不要だ。
近年増えている内視鏡外科手術では、小さな穴から手術を行うため患者の負担が軽減する一方、医師の身体的負担が大きく長いときには8時間以上立ちっぱなしになるという。しかし手術が行われる環境下では、手術中に立ち位置が変わったり、コードや医療機器が多く存在するため椅子を置くことが難しかったりするという。
開発は産学共同。企画、制作、製造は金型から量産まで手掛けるニットーが、監修は千葉大学フロンティア医工学センターの川平洋准教授と中村亮一准教授が、デザインは西村拓紀デザインがそれぞれ担当した。現在開発中で、2018年春の発売(医療向けモデル)を予定している。サイズはフリーサイズ(約155〜185センチ)で、価格は30〜40万円を想定。今後、一般モデルも発売予定だという。
「好きなところまで行って座り、また好きな場所まで歩いて座る。私たちは創立50年の金型技術を持っているが、これまでは工業製品がほとんどだった。今回、医療という新たな分野に挑戦する。初めての分野だからこそ、既存の発想にとらわれないやり方ができると思う」(ニットー)
ニットーは「長時間の立ち姿勢を楽にする」を掲げ、介護福祉、製造工場、建築現場、農業、警備員、美容室、料理人、レジャーなど、さまざまな分野に応用したい考えだ。
(太田智美)
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東京ビッグサイトで開催中の「第1回 ロボデックス」に展示された。
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