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チケキャン問題「真摯に反省」、ミクシィ森田社長 「もう少し早めに経営判断できた」(1/2 ページ)

ミクシィの森田仁基社長が2月14日、決算説明会で「チケットキャンプ」問題について「真摯に反省し、再発しないよう考える」とコメントした。

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 ミクシィの森田仁基社長は2月14日、子会社フンザが運営するチケット売買サービス「チケットキャンプ」の問題を巡り、「真摯に反省して、再発しないよう考えていきたい」と話した。ミクシィがフンザを買収した当時の経営判断は「間違っていたとは思わない」とする一方、「もう少しレピュテーションリスク(風評により企業の信用が低下するリスク)やコンプライアンスを考えた上で、早めに経営判断できた部分があると思っている」と話した。

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ミクシィが2月14日に都内で開いた決算説明会で「真摯に反省する」と話した森田仁基社長(左)

 チケットキャンプを巡っては、ミクシィが2017年12月にフンザが商標法違反などの疑いで警察の捜査を受けたと明らかにし、同月末にはサービスを18年5月末に終了すると発表するに至った。さらに18年1月、フンザの前社長が詐欺の共犯容疑で書類送検される事態に発展した。ミクシィは2月14日、こうした問題を受け、第三者委員会から受領していた報告書を公開した

チケットキャンプ問題を整理する

 チケットキャンプが抱えていた問題を、あらためて3つの視点で整理しよう。1つ目は「ミクシィが『転売』をどう認識していたか」、2つ目は「音楽業界やチケット販売者からの申し入れに対するミクシィの対応」、そして調査報告書が指摘した「VIP会員」の存在だ。

 まず、転売へのミクシィの認識についてだ。ミクシィがフンザを子会社化したのは15年3月。その買収前にフンザはチケットキャンプの利用規約を改定している。

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チケットキャンプは2018年5月末にサービス終了を予定している(チケットキャンプ公式サイトより)

 報告書によれば、改定前の規約には「価格を不当につり上げるための転売目的の出品をフンザが無効にできる」という規定はあったが、「転売目的で得たチケットなどの出品や購入を禁止する規定は存在しなかった」。

 ミクシィ側は「全ての転売が悪いとは考えていない」(森田社長)という。

 「転売問題については専門家に意見を求めており、転売自体に法的問題があるかというと、そうではないと考えている。ある人が『行けなかった』チケットを他の人に譲るといった場合であれば問題はないという認識があった」(森田社長)

 そのため、買収後もミクシィがフンザに働きかけて利用規約改定を促すことはなかったという。フンザ側が利用規約を変更したかは、森田社長は「現在把握していない」とコメントした。

 詐欺や偽造といった、ミクシィの考える“悪質な転売行為”は、16年11月に荻野泰弘取締役が「積極的に対策に取り組んでいる」と説明していた。当時は具体的な取り組み内容は明かしていなかったが、今回の説明会では森田社長が詳細を口にした。

 「荻野がコメントしたことは、ウソではない。当時、詐欺の解釈としては『実際には入れないチケットをお客さまと取引する』『入金がされない』といったことだと思っている。(被害者への)保証対応や、本人認証が必要なチケットはわれわれの判断でチケットキャンプから削除することも行ってきた」(森田社長)

高額転売に対する音楽業界からの反発

 しかし、チケットキャンプのチケット売買を巡っては、チケット販売関係者や音楽業界などからたびたび反発の声が上がっていた。

 チケット販売関係者がチケットキャンプに対し一部のチケットの取り扱いを停止するよう求める動きは、ミクシィがフンザを買収する前からあり、買収後もそうした状況は続いていたという。

 16年8月には音楽業界団体が「チケットの高額転売に反対します」との新聞意見広告を発表し、波紋を呼んだ(関連記事)。同年10月にはミクシィの社外取締役であった中村伊知哉氏が音楽業界との対立解決に向けた調整が実らなかったことなどを理由に、取締役を辞任している。

 17年7月には、音楽業界団体がフンザとミクシィに対し、チケットキャンプでのチケット転売価格の制限や、出品枚数の制限などを求めていたが、実際にチケットキャンプ側が対策強化を発表したのは12月1日のことだった。

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