ARで、子どもの歯磨きも「ゲーム」になる:シリコンバレー式「時短育児術」
子育てに関する負担をITで解消する「Baby Tech」。シリコンバレー在住の女性筆者が、“母目線”でぐっときたテクノロジーを紹介する連載をお届けします。今回は「ARを使った歯磨き促進サービス」について。
いつの時代も親たちは、子どもに歯ブラシの習慣をつけさせるのに苦労するもの。自分の子どもの頃を振り返ってみても、「歯磨きしたの?」「歯磨きしなさい!」と毎日のように言われていた記憶が鮮明に残っています。
歯ブラシを使い始めるぐらいの年齢の子どもを持つ友人たちが、そうした昔と変わらない親子の掛け合いをしているのを見ると、1歳を目前にした子を持つ私も、しばらくしたらこの格闘の日々が始まるのか……とうなだれてしまいます。
連載:シリコンバレー式「時短育児術」
子育てに関する負担をITで解消する「Baby Tech」。シリコンバレー在住の女性筆者が、“母目線”でぐっときたテクノロジーを紹介していく。
著者プロフィール
近藤奈都美(こんどう・なつみ)
日本でIT専門商社に勤務した後、結婚を機に渡米。現在はシリコンバレーで一児の母として主婦業を行う一方、テクノロジーを使って効率的な子育てを目指す“母目線”の情報メディア「Babyful.jp」を運営するなど、「時短育児」を軸に情報発信している。
(本記事は、「Babyful.jp」に掲載された記事を一部加筆・編集して掲載しています。)
そんな中「CES 2018」で目にしたのが、フランスのKolibee社が今年9月ごろに発売予定の歯ブラシ「magik」。これを使うと、親子のイライラ時間が一転、「ムシバイキンをやっつけろ!」が共通の合言葉になり、子どもたちがすすんで楽しく歯磨きできるようになるそうです。
これを可能にするのがAR(拡張現実)の仕組み。スマートフォンでmagikのアプリを開き、インカメラで自分の顔を撮影すると、画面に映った自分の歯のあらゆるところに現れるモンスターを倒す戦いが始まります。
操作は簡単、magikブラシで、画面を見ながら歯を磨くだけ。遊びながら、歯全体を歯ブラシでゴシゴシ磨けるようになります。製品デモを見せてもらっている時にも、子どもたちがスマホを片手に一生懸命楽しそうに歯磨きをしている姿が、面白いくらい容易に想像できました。
Kolibeeの担当者いわく、モンスターは歯の至るところに現れるので、自分で口の中全体を磨けるようになる。“歯磨きゲーム”ができるのは1日3回までのため、磨き過ぎも防げるし、続けるうちに歯磨きの習慣がつくようになる――とのこと。ゲームやりたさに、子どもが自ら率先して歯磨きをやりたがるようになるでしょう。
また、歯磨きのログが残り、忘れていないかチェックができるのもポイントです。歯磨き後、磨き具合が十分な箇所、不十分な箇所を色分けして示してくれるので、「仕上げはお母さん」をする際にも、不足箇所を重点的に磨くことができ、子どもにとっても親にとっても助かるアイテムです。
一般販売価格は未定ですが、30ドルくらいを想定しているとのこと。ブラシ部分は交換可能になる予定で、環境にもお財布にも優しい歯ブラシ。発売が非常に楽しみです。
2016年に「Pokemon GO」で身近になったAR。Kolibeeによると、Magikは「ARを利用した初めての歯ブラシ」だといいます。そのうち歯ブラシのみならず、髪を洗ったか、体を洗ったかということまで、スマホで確認できるような日が来るのでしょうか。
次回は、Kickstarterで約140万ドル(約1億5000万円)を集めたことでも話題の、子どもの水分補給に役立つプロダクトをご紹介します。
関連記事
- 毎日の家事、年収にするといくら? 大和ハウス工業が「家事年収シミュレーター」公開
大和ハウス工業が毎日の家事に必要な労力を年収に換算する「家事年収シミュレーター」を公開した。 - 女性向けネットコミュニティーはマストドンで成功するのか?
女性向けマストドンインスタンスとしてスタートしたExciteの「julika」が成功するか注目されているようだ。では、30年近く前の成功事例を紹介しよう。 - ヤフー、企業内保育所を開設 「復職率99.1%超え」目指し
ヤフーは、企業内保育所「HUTTE(ヒュッテ)」(仮)を開設すると発表した。 - 0〜2歳児の過半数「スマホを使ったことがある」 “スマホ育児”の影響、専門家が指摘
スマートフォンを子育てにうまく活用するために気を付けるポイントは?
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.