マイナンバーカードでバス優待乗車 姫路市で実証実験
姫路市で、高齢者がマイナンバーカードを使ってバスに優待乗車する実証実験。マイナンバーカードの利便性向上や、取得の促進が狙い。
地方公共団体向けの情報サービスなどを手掛けるTKC(栃木県宇都宮市)は2月20日、兵庫県姫路市と神姫バス(同市)の協力のもと、高齢者がマイナンバーカードを使ってバスに優待乗車する実証実験を行った。マイナンバーカードの利便性を高める他、市民への認知拡大、取得を促す。
姫路市は、高齢者向けに優待乗車パス(ICカード)を交付しているが、実験ではこの乗車パスの代わりに、実証実験用に準備したマイナンバーカードを使用。乗り降りの際にマイナンバーカードを車載端末にかざす。
利用するには、あらかじめ市役所の窓口で申し込みが必要。対象者が持参したマイナンバーカードを市役所職員が専用カードリーダーで読み取り、本人確認した後、マイナンバーカードのICチップの空き容量に、優待乗車の資格の有無や資格の期限などを記録するための「敬老パス」を書き込んでおく。以降は、バスの利用時、マイナンバーカードに書き込まれた敬老パスを読み取り、乗車履歴などが記録されるという。
【おわびと訂正:2018年2月22日午後4時10分 初出時「敬老パス」の名称に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。】
本人確認には、マイナンバーカードのICチップに記録された電子証明書(公的認証サービス、JPKI)を活用する。マイナンバー(個人番号)そのものは利用しない。
実験には27人の市民モニターが参加し、乗車パスの申請、バスの乗車・降車を体験。マイナンバーカードを公共交通機関で利用する効果や技術的な課題を検証した。
総務省は、マイナンバーカード普及のため、利活用を広げる取り組みを進めている。これまでも姫路市は、16年11月からマイナンバーカードを図書館カード(貸し出し券)の代わりに使うサービスも実施している。
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