「予約ぜんぜん取れない」 iPhone電池交換プログラム終了間近で“予約難民”続出
「iPhoneのバッテリーを交換したいのに、Apple Storeや正規サービスプロバイダを予約できない」という声が多発している。「バッテリー交換プログラム」の終了が年末に迫る中、駆け込みで交換を申し込む人が殺到しているため、修理の予約が極めて取りづらい状況になっているのだ。
「iPhoneのバッテリーを交換したいのに、Apple Storeや正規サービスプロバイダを予約できない」という声が多発している。バッテリーを割安で交換できる「バッテリー交換プログラム」の終了が年末に迫る中、駆け込みで交換を申し込む人が殺到しているため、来店修理の予約が極めて取りづらい状況になっているのだ。
バッテリー交換プログラムは、iPhone 6以降のバッテリー交換が3200円で可能になるAppleのサービスだ。Appleは、バッテリーの寿命が近づいたiPhoneで、iOSのアップデートした際に意図的に動作速度を低下させていたとして、欧米で複数の集団訴訟を起こされるなど強い批判を受けたため、昨年12月からこのプログラムの提供を全世界で始めた。
同プログラムは今年12月31日で終了。その後にバッテリーを交換すると、iPhone 6〜Xで5400円、iPhone XS/XS Max/iPhone XRで7800円かかるため、「割安な今のうちにバッテリー交換したい」と考えている人が多く、来店修理の予約の申し込みが殺到しているのだ。
予約できる枠が1つもない
予約はAppleのサポート用Webサイトか電話で申し込めるが、「サイトにアクセスしても、行ける範囲の店舗で予約枠が1つもない」といったケースが常態化している。
筆者も1週間ほど前から予約サイトを何度も何度も見ているが、20キロ圏内の計20店舗で、予約枠の空きにはほとんど遭遇できていない。ページを何十回もリロードしていると、たまに1枠だけ空きが出ることもあるが、「この日、この時間に行けるだろうか?」と数十秒迷っている間にすぐに埋まってしまう。
Appleの電話サポートから予約を取ってもらえないかと電話もしてみたが、オペレーターによると、「サポート窓口が利用しているのは、ユーザーが見ている予約システムと同じ」とのことで、Webサイトで空き枠が見つからなければ、電話でも予約は難しいという。ちなみに、筆者を担当してくれたオペレーター本人も「電池交換したいのに予約が取れない」と話しており、状況はみな同じようだ。
Twitterにも、「予約全然取れない」「全く空きがない」「これじゃあ年内交換できないのでは」「やっと予約が取れたと思ったら、家から1時間かかる場所だった」など、バッテリー交換を希望する人の悲痛な叫びが多数投稿されている。
店舗によっては、電話などで問い合わせると、予約サイト上で将来の予約枠が開放される時間を教えてくれることがある。筆者はあるサービスプロバイダの店舗に電話したところ、3日後の予約枠が開放される時間を教えてもらえた。ただ、その時間を数十分過ぎたタイミングで予約サイトにアクセスしたところ残り枠はゼロ。開放された直後にすぐ埋まってしまったようだ。
予約なしで直接店舗を訪れることもできるが、キャンセル待ちになるため、待ち時間が非常に長くなったり、キャンセルが出ずに無駄足になることもあるようだ。持ち込み修理ではなく配送修理にする手もあるが、端末を送ってから返送されるまで1週間ほどかかるため、代替端末を持っていない人には利用しづらい。
Appleの対応は?
ITmedia NEWSはアップルジャパンに対して、修理の予約ができない事態についてどう考えているかや、電池交換プログラムを来年以降も延長する可能性について問い合わせたが、回答は得られなかった。プログラムの延長などの対応は、期待薄かもしれない。
電池交換プログラム発表以前のバッテリー交換費用は8800円だったため、交換プログラムの割安感が際立っていたが、Appleは今年9月に値下げを発表。来年1月からはiPhone 6〜Xは5400円、iPhone XS/XS Max/iPhone XRは7800円になる。交換プログラムの3200円との差額は前者が2200円、後者が4600円。年内に修理予約したり店舗を訪れる手間をかけてこの差額を節約したいかどうかも、“年内滑り込みバッテリー交換”を考える際の材料になるだろう。
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