不適切取引が発覚したコロプラ、「最果てのバベル」ユーザーに“わび石”2000個配布へ ネットで賛否両論
コロプラが「最果てのバベル」のユーザーに、有料アイテム「精霊石」を1人当たり2000個無償配布すると発表。不適切取引が発覚したことへの“おわび”という。この措置に対し、Twitterでは、「ガチャをたくさん引ける」「信頼を取り戻す手段としてはどうなのか」と賛否両論だ。
コロプラはこのほど、ゲームアプリ「最果てのバベル」のユーザーに、有料アイテム「精霊石」を無償配布すると発表した。役職者を含む社員2人が取引先に対し、同タイトル内でアイテムを購入するよう不適切な依頼をしていた問題の“おわび”という。配布対象は6月12日〜7月19日にアカウントを作った人で、個数は1人当たり2000個。7月5日午後3時から提供する。
一連の措置を受け、Twitter上では「40連ガチャを引ける」「めっちゃうれしい」などと喜ぶ声があるものの、「信頼を取り戻す手段としてはどうなのか」「“リセマラ”によるダウンロード数を稼ぎたいのか」といった厳しい意見も出ている。
取引先がアイテムを850万円分購入、コロプラが全額負担
この問題は、コロプラが6月21日に開示した。取引先はコロプラからの依頼を受け、6月13日にゲーム内アイテムを850万円相当購入。その全額をコロプラが負担したという。取引が行われた経緯や、取引先の企業名は明かしていない。
同タイトルは12日にリリースしたばかりで、「Google Play」などのセールスランキングを操作して上位に引き上げる目的があったとしている。
同社は6月26日付で、外部の弁護士らを含む特別調査委員会を設置。経緯や原因、類似した取引の有無を調べている他、再発防止策の立案などを行っている。
ただ、現時点で報告書などは公表しておらず、Twitter上では「“わび石”を配る前に報告書や再発防止策を発表すべきでは」「どういう立場の人が850万円を支払ったのか」と指摘するツイートも投稿されている。
コロプラの株価も、この問題による打撃を受けている。6月上旬にスクウェア・エニックスと新タイトル「ドラゴンクエストウォーク」を共同開発していると発表した際は900円台まで上昇していたが、問題発覚直後に一時630円台まで下落。その後は持ち直し、7月5日午前の取引を終えた時点では690円(前日比6円高)を付けているが、ドラクエ新作の発表直後の水準には戻っていない。
関連記事
- コロプラ、850万円の“課金”を取引先に依頼 セールスランキング操作が目的
コロプラの社員が、「最果てのバベル」に“課金”するよう取引先に依頼していたことが発覚。課金額の850万円はコロプラ側が負担し、13日に課金が行われたという。同アプリをセールスランキングで上位に引き上げる狙いがあった。 - コロプラが赤字転落、上場来初 販管費ふくらむ
コロプラの2018年10〜12月期連結決算は、3億7600万円の最終赤字(前年同期は13億5200万円の黒字)だった。 - コロプラの株価が急落、不適切取引騒動を嫌気
6月24日の東京株式市場で、コロプラ(東証1部)の株価が急落した。午前の取引を終えた時点での株価は50円安(−7.1%)の654円。同社は21日に、ゲームアプリ「最果てのバベル」内でアイテムを購入するよう、取引先に不適切な依頼をしたことが発覚していた。 - スクエニ・コロプラ株価が“かいしんの”伸び 「ドラクエウォーク」共同開発を発表
6月3日の東京株式市場で、スクウェア・エニックス・ホールディングスとコロプラの株価が急騰。両社ともに年初来高値を更新し、コロプラは一時ストップ高まで値を上げた。両社は同日、「ドラゴンクエスト」シリーズの最新作「ドラゴンクエストウォーク」を共同開発しており、2019年内にリリースすることを発表していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.