スタイリッシュで高機能なコンパクト2スピンドルノート――東芝 dynabook CX1/214LDEW(2/2 ページ)

» 2004年01月21日 02時28分 公開
[石井英男,ITmedia]
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PC2700のサポートにより性能も向上

 CX1/214は、CPUにPentium M/1.40GHzを搭載し、チップセットにはグラフィックス統合型のIntel 855GMEを採用している。855GMEは855GMの後継チップセットで、PC2700対応DDR SDRAMをサポート(855GMはPC2100までのサポート)したほか、グラフィックスコアのクロックが200MHzから250MHzに向上している。

 旧モデルのC9/214も、CPUは同じPentium M/1.40GHzを搭載していたが、チップセットは855GMだったので、メモリ周りやグラフィックス周りの性能はCX1/214の方が高い。

 メモリは標準で256Mバイト実装しており、2基あるSO-DIMMスロットを使って最大2Gバイトまで増設が可能だ(ただし2Gバイトに増設する場合は、標準で装着されている256MバイトSO-DIMMを外して1GバイトSO-DIMMに交換する必要がある)。

 また、HDD容量も80Gバイト(C9/214のHDD容量は60Gバイト)に増え、大規模アプリケーションや動画などの大容量データを入れられる余裕ができた。なお、試用機には東芝製の「MK8025GAS」がHDDに採用されていた。

キーボードの下にSO-DIMMスロットを2基装備している。標準で装着されている256MバイトSO-DIMMを外し、代わりに1GバイトSO-DIMMを装着することで、最大2Gバイトまで増設が可能だ

 CX1/214は光学ドライブに、DVD-R/RW/RAMに対応した松下電器製DVDマルチドライブ「UJ-812」を採用している。DVD-R/RW/RAMへの記録速度は最大2倍速だ。DVD-RやDVD-RAMへの記録速度はC9/214に搭載されていたDVDマルチドライブと同じだが、DVD-RWへの記録速度は等速から2倍速へと向上している。

光学ドライブには松下電器製のDVDマルチドライブを搭載する。DVD-R/DVD-RW/DVD-RAMへ最大2倍速で記録可能だ

デュアルモード対応無線LANとBluetoothを搭載

 無線LAN機能が強化されたことも特筆したい。dynabook C9シリーズでは、データ転送速度が最大11MbpsのIEEE802.11b準拠の無線LAN機能を内蔵していたが、CX1シリーズでは無線LAN機能がIEEE802.11b/g準拠のデュアルモード対応へと強化されている。

 IEEE802.11gでは、IEEE802.11bの約5倍となる最大54Mbpsでのデータ転送が可能であり、動画などの大きなファイルも短時間で転送できる。

 ちなみに、CX1シリーズの全モデルにIEEE802.11b/g準拠の無線LAN機能が搭載されているが、インテル製の無線LANモジュールを採用しているのは最上位モデルのCX1/214のみだ。これによりCX1/214は、Pentium Mと合わせてCentrinoブランドを名乗る条件を満たしている。それ以外のモデルは、サードパーティ製の無線LANモジュールを採用している。

 さらにCX1/214では、Bluetooth機能(V1.1準拠)も搭載している(下位モデルでは非搭載)。東芝は以前からPCへのBluetooth機能の搭載に積極的だが、対応機器はあまり登場していない。しかし、2004年春にNTTドコモからBluetooth対応携帯電話「F900iT」が登場する予定であり、ようやくBluetoohの本格的な普及が始まりそうだ。

 左側面にワイヤレスコミュニケーションスイッチが用意されており、ワンタッチで無線LAN機能やBluetooth機能のオン/オフを切り替えることができるのも便利だ。無線LAN機能とBluetooth機能のどちらを利用するかは、Fn+F8キーで切り替えることができる(無線LAN機能とBluetooh機能の同時利用も可能)。

本体の左側面に、無線LAN機能やBluetooth機能をオン/オフするためのワイヤレスコミニュケーションスイッチを装備している

 インタフェース類も充実している。USB 2.0×3、IEEE1394(4ピン)、外部ディスプレイ出力、S-Video出力の各ポートに加えて、PCカードスロット(Type II×1)、SDカードスロットを装備しているので、さまざまな周辺機器を利用できる。

 細かな点だが、PCカードスロットのフタが観音開き式に中に倒れ込む構造になっていることもポイントだ。ダミーカード方式ではフタをなくしてしまいがちだが、この構造ならなくす恐れはない。

本体左側面には、IEEE1394(4ピン)、PCカードスロット(Type II×1)、ワイヤレスコミュニケーションスイッチ、マイク、ヘッドホン、ボリュームが用意されている
本体右側面には、DVDマルチドライブ、SDカードスロット、USB 2.0が用意されている。光学ドライブの脱着はできない
本体背面には、USB 2.0×2、外部ディスプレイ、S-Video出力、モデム、LANの各コネクタが用意されている

プリインストールソフトが充実しており、コストパフォーマンスも高い

 最新オフィススイートの「Microsoft Office 2003 Personal」やデジタルノートソフト「Microsoft Office OneNote 2003」をはじめ、東芝独自のネットワーク切り替えユーティリティ「ConfigFree」など、実用的なソフトが多数プリインストールされていることもうれしい。

 CX1シリーズはCシリーズのコンセプトを受け継ぎ、デザインがさらに洗練されただけでなく、基本性能も一段と向上しており、製品としての完成度は高い。

 重さが約2キロに削減されたので、部屋から部屋へ気軽に移動できるだけでなく、持ち運ぶことも十分可能だ。実売価格は約25万円とのことで、DVDマルチドライブと80Gバイトの大容量HDD、IEEE802.11b/gデュアルモード対応無線LAN機能を搭載し、OfficeやOneNoteがプリインストールされていることを考えれば、コストパフォーマンス的にも魅力がある。

 ターゲット的には、お洒落なデザインのPCが欲しいという、若い女性層を狙っているのだろうが、デスクトップPCをメインに使っているパワーユーザーのセカンドマシンとしても十分なスペックである。

 PCも一家に一台という時代から、一人一台(あるいは一人複数台)という時代になってきているが、コンパクトで使いやすい本製品は、自分専用のPCが欲しいと言い出した娘や息子へのプレゼントにもぴったりであろう。

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