QV-R51はエントリー向けとして位置付けられたデジカメだが、マニュアルフォーカスを利用したり、測光方式を変更できるなど、設定機能は比較的充実している。
撮影モードは、静止画/ベストショット/ムービーの3種類から選択できる。撮影解像度は2560×1920/2560×1712/2048×1536/1600×1200/1280×960/640×480ピクセルから選べ、さらに画質は、それぞれFINE/NORMAL/ECONOMYから選択できる。
カシオ製デジカメならではの機能が、シーンに応じた最適な設定で撮影できるベストショットモードである。最近はこうした機能を持つ製品が増えてきたが、カシオ製デジカメのベストショットモードは、「人物」や「風景」、「子供」、「ペット」、「花」、「夕日」、「夜景」、「花火」など、21種類ものシーンが用意されている。
また、それぞれのモードの使い道や設定の内容を文章で説明するだけでなく、典型的なシーン/構図のイメージ画像も表示するので、どのような時に使えばよいかが直感的に理解できる。
ホワイトバランスは、オート/太陽光/日陰/電球/蛍光灯のほか、マニュアルも用意されている。露出補正は、-2.0EV〜+2.0EVの範囲で0.3EV刻みで設定可能だ。また、シャープネスや彩度、コントラストも、3段階から選択できる。
AFでは、7点測距のマルチエリアオートフォーカスと、中央部分のみのスポットオートフォーカスが選べる。測光方式もマルチ/中央重点/スポットが選択可能だ。
基本ISO感度は50とやや低めだが、オートにしておくと自動的にゲインアップする。ISO感度をマニュアルで50/100/200/400のいづれかに設定することもできる。
このほかQV-R51は、シャッタースピードや絞り値、ISO感度はもちろん、リアルタイムヒストグラムも撮影時に表示できる。また、写真の構図を決める際に役立つグリッド表示や、シャッターを1回押すだけで3枚連続してセルフータイマー撮影できるトリプルセルフタイマーなど、便利な機能を搭載していることもうれしい。
ムービーモードでは、320×240ピクセルの動画を15フレーム/秒で最長60秒間記録できる(音声はなし)。ただし、連写機能は用意されていない。
QV-R51は、レスポンスが高速であることも特筆したい。電源オフの状態からでも、背面のRECモードボタンまたはPLAYモードボタンを押すだけで、すぐに撮影モードまたは再生モードで起動する。起動時間は約1秒、レリーズタイムラグは0.01秒と非常に短いので、撮ろうと思ったタイミングを逃さずに、さっと取り出してすぐに撮影することが可能だ。
撮影した画像は約0.1秒間隔で再生でき、大量に撮影した場合でも小気味よく画像を選ぶことができる。また、撮影した画像をその日のカレンダー上にサムネイル表示するカレンダー表示機能や、ルーレットのようにランダムに表示するルーレット機能もおもしろい。
操作性では、左右キーに割り当てる機能を自由に変更できるのが便利だ。デフォルトでは撮影モードの変更に割り当てられているが、露出補正のEVシフトやホワイトバランス、ISO感度、セルフタイマーなどに切り替えることができる。
撮影設定の内容を電源をオフにしても保持できるモードメモリ機能も便利だ。例えば、ホワイトバランスは、電源をオフにすると設定した内容を消去して「オート」に戻るように初期設定されているが、「モードメモリ」タブで「ホワイトバランス」を「入」にしておけば、電源を切っても設定したホワイトバランスの内容がそのまま保持される。
QV-R51は小さなボディに大型液晶と多くの機能を詰め込んだデジカメで、その完成度は高い。次ページの作例からも分かるように画質面でも不満はないので、初めてデジカメを購入する人はもちろん、レスポンスが高速なスナップショットデジカメが欲しい中・上級者のセカンドデジカメにも向いているだろう。
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