お手ごろ価格をベースに自分流に構成できる デル Inspiron 1150(1/3 ページ)

» 2004年03月29日 15時37分 公開
[長浜和也,ITmedia]

 さて、バリュークラスノートPCといえ、最近のユーザーがノートPCに求める用途は、単なるメールにWebブラウジングだけにとどまらない。音楽CDやDVD-Videoの再生などのコンテンツプレーヤーとしての機能も当たり前のように要求してくるし、Webブラウジングにしてもリッチコンテンツが普及してくるにつれて、「バリュークラスだからパフォーマンスは我慢してください」という言い訳は通用しなくなっている。

Inspiron 1150

 Inspiron 1150は、いまどきのバリュークラスにも求められるパフォーマンス、とくにコンテンツプレーヤーとしての機能を充実させるために、14.1インチ、もしくは15インチの大型液晶パネルを搭載。CPUにはローエンドモデルではCeleron /2.4GHz、ハイエンドモデルではモバイルPentium 4/2.4GHzを採用している。

 グラフィック機能は統合型チップセットIntel 852GMVに内蔵したグラフィックコアに依存している。このチップセットは、同じ統合型チップセットのIntel 852GMの派生型でNorthwoodコアのCelelonに対応したもの。

 FSB400MHz、PC2100のデュアルチャネルサポートなど主要なスペックはIntel 852GMと同じだ。ハードウェアT&Lはサポートしないので、FINALFANTASY XI for WindowsやリネージュIIといった、ホームユースで需要が多い最新の3Dオンラインゲームは無理だが、ビデオメモリとして共有するメインメモリを効率よく利用するDVMT(Dynamic Video Memory Technology)の採用によって、DVD-Videoは無理なく再生可能だ。

ホームユースを意識したコンテンツプレーヤーとして再生用のソフトがインストールされている。名称は「Dell Media Experience」となっているが、画面構成や操作体系はWindows XP Media Center Edition 2004のメディアセンターとほぼ同じ。ただし、Insprion 1150にリモコンはついていない

 Inspiron 1150のサイズは幅335×奥行き275×厚さ48ミリ、重さ3.5キロなので、持ち歩くよりは、屋内で使われることが多くなることは十分予想される。そのため、標準でサポートされるネットワークは有線の10/100BASE-TXのみとなっている。

 ただし、設置場所をユーザーの都合にあわせて自由に変えられるのが、省スペースPCと比べたノートPCのメリットであるわけで、屋内利用がメインといっても無線LANがあると便利なのはInspiron 1150でも同じだと思われる。無線LAN機能を組み込みたいユーザーは、デルがオプションとして用意している「Dell TrueMobile 1300 内蔵ワイヤレスLAN 内蔵Mini PCIカード」を注文のときに組み込むことで(7000円プラスになる)、IEEE 802.11b/gを利用できるようになる。

 蛇足ながら、デルのサイトでInspiron 1150の推奨パッケージ一覧として二つのパターンが用意されているが、このどちらも初期構成でワイヤレスLANオプションの欄が「なし」と設定されている。最近の「無線LAN本体内蔵は当たり前」という先入観から、そのまま何もしないで注文すると無線LANが使えない製品が届いてしまうので、無線LANを利用したいユーザーは注文のときに注意してほしい。

 Insprion 1150はデルのノートPCの例に漏れず、多様なBTOオプションでそのパーツ構成が多様に選択できる。今回評価に使用したInspiron 1150は、以下のような構成になっている。

CPUPentium 4/2.4GHz
メモリ容量256Mバイト
ハードディスク容量30Gバイト
ディスプレイ15インチ液晶パネル、
内蔵ドライブCDRW&DVD-ROMコンボドライブ
価格15万6800円

 CPUパワーとディスプレイ環境を重視し、メモリとストレージはやや抑え目にしており、手軽な価格でDVD-VideoなどのコンテンツプレーヤーPCとして使いたいユーザーには、バランスの取れた構成と言えるだろう。

右側面に配置されているのはモデムのみ。左側面はPCカードスロットとサウンド系のコネクタ、内蔵ドライブが配置され、LANとUSBは背面に集中したレイアウトとなっている。据え置き利用ならLANが背面でもかまわないが、抜き差しが多いUSBは側面に一つ欲しかったところだ
キーボードは、コストを抑えたノートPCによく見られるレイアウトで、上カーソルキーがShiftキーとカナ「ろ」の間に入り込み、HomeやEndキーがEnterキーの脇に配置されている。慣れればそれなりに使いやすいのだろうが、デスクトップキーボードに慣れたユーザーには「EnterキーのつもりがPageDown」というケースが多発する
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