さて、バリュークラスノートPCといえ、最近のユーザーがノートPCに求める用途は、単なるメールにWebブラウジングだけにとどまらない。音楽CDやDVD-Videoの再生などのコンテンツプレーヤーとしての機能も当たり前のように要求してくるし、Webブラウジングにしてもリッチコンテンツが普及してくるにつれて、「バリュークラスだからパフォーマンスは我慢してください」という言い訳は通用しなくなっている。
Inspiron 1150は、いまどきのバリュークラスにも求められるパフォーマンス、とくにコンテンツプレーヤーとしての機能を充実させるために、14.1インチ、もしくは15インチの大型液晶パネルを搭載。CPUにはローエンドモデルではCeleron /2.4GHz、ハイエンドモデルではモバイルPentium 4/2.4GHzを採用している。
グラフィック機能は統合型チップセットIntel 852GMVに内蔵したグラフィックコアに依存している。このチップセットは、同じ統合型チップセットのIntel 852GMの派生型でNorthwoodコアのCelelonに対応したもの。
FSB400MHz、PC2100のデュアルチャネルサポートなど主要なスペックはIntel 852GMと同じだ。ハードウェアT&Lはサポートしないので、FINALFANTASY XI for WindowsやリネージュIIといった、ホームユースで需要が多い最新の3Dオンラインゲームは無理だが、ビデオメモリとして共有するメインメモリを効率よく利用するDVMT(Dynamic Video Memory Technology)の採用によって、DVD-Videoは無理なく再生可能だ。
Inspiron 1150のサイズは幅335×奥行き275×厚さ48ミリ、重さ3.5キロなので、持ち歩くよりは、屋内で使われることが多くなることは十分予想される。そのため、標準でサポートされるネットワークは有線の10/100BASE-TXのみとなっている。
ただし、設置場所をユーザーの都合にあわせて自由に変えられるのが、省スペースPCと比べたノートPCのメリットであるわけで、屋内利用がメインといっても無線LANがあると便利なのはInspiron 1150でも同じだと思われる。無線LAN機能を組み込みたいユーザーは、デルがオプションとして用意している「Dell TrueMobile 1300 内蔵ワイヤレスLAN 内蔵Mini PCIカード」を注文のときに組み込むことで(7000円プラスになる)、IEEE 802.11b/gを利用できるようになる。
蛇足ながら、デルのサイトでInspiron 1150の推奨パッケージ一覧として二つのパターンが用意されているが、このどちらも初期構成でワイヤレスLANオプションの欄が「なし」と設定されている。最近の「無線LAN本体内蔵は当たり前」という先入観から、そのまま何もしないで注文すると無線LANが使えない製品が届いてしまうので、無線LANを利用したいユーザーは注文のときに注意してほしい。
Insprion 1150はデルのノートPCの例に漏れず、多様なBTOオプションでそのパーツ構成が多様に選択できる。今回評価に使用したInspiron 1150は、以下のような構成になっている。
CPU | Pentium 4/2.4GHz |
メモリ容量 | 256Mバイト |
ハードディスク容量 | 30Gバイト |
ディスプレイ | 15インチ液晶パネル、 |
内蔵ドライブ | CDRW&DVD-ROMコンボドライブ |
価格 | 15万6800円 |
CPUパワーとディスプレイ環境を重視し、メモリとストレージはやや抑え目にしており、手軽な価格でDVD-VideoなどのコンテンツプレーヤーPCとして使いたいユーザーには、バランスの取れた構成と言えるだろう。
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