さすがに、クロックを上げた効果があったようで、3DMark03 Scoreでは、定格動作のFX5700 Ultra TD128やR9600XT/TVD/N/128Mを頭一つリードしている。RADEON 9600 XTのオーバークロックバージョンとも言うべき、ATLANTES RADEON9600 XTには、軽負荷時の結果で下回ったものの、アンチエイリアスと異方体フィルタリングを有効にした負荷の重いテストでは、最もよい結果を残している。
個別のゲームテストを比較してみると、GeForce FX シリーズが強いとされている、Direct X 8.1対応のGT1で、ほかのカードを大きく引き離しているが、Direct X 9対応のGT4のテストでは、今までと同様RADEON 9600シリーズに押さえ込まれている。AquaMake03の結果を見ても、定格動作のR9600XTにわずかながら及ばない。
GDDR3の搭載で、これまで得意としてきた処理では、なお一層高いパフォーマンスを見せるようになったものの、GeForce FX 5700 Ultraのもつアーキテクチャ的な制約を超えるまでにはなってないことが、今回行ったベンチマークの結果は物語っているように思える。
しかし、FX 736 Ultra DDR3は128Mバイトのメモリを搭載しているが、さらにビデオメモリの容量が256Mバイトから512Mバイトと大容量になると、GDDR3の高速転送能力がよりパフォーマンスに影響を与えるようになると言われている。将来、大容量のメモリを搭載したFX 736 Ultra DDR3が登場したときに、この仮説をもう一度検証してみたいと思う。
現在、実売価格平均は2万5000円程度。ELSAのGeForce FX 5700 Ultra搭載ビデオカード「GLADIAC FX736 Ultra」が2万6000円程度なので、これはもう、パフォーマンスの高いGDDR3搭載製品を選択するべきだろう。一方で、ほかのベンダーから販売されている同種の製品の実売価格は、2万円から2万3000円というところが多い。ELSAの製品は、実装しているコンデンサなどその品質の高さに定評がある。ELSAのユーザーに熱烈なる固定ファンが多いのも、そのあたりに惚れ込んでのことと聞く。
定格動作より頭一つ抜き出たパフォーマンスと高い品質に魅力を感じるユーザーなら、FX 736 Ultra DDR3を選ばない理由は、そう簡単に見つからないだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.